日本郵便が提供しているサービス、クリックポスト。
クリックポストは厚さ3cmまでの荷物を安価に送れることで人気を博していますが、価格の変動が大きいことで有名です。
ただ今までは値上げラッシュだったのですが、2022年7月20日にはまさかの「値下げ」となりました。

本ページではクリックポストの値下げの概要と、価格変動やトラブル時に代わりになる発送方法をまとめています。
クリックポスト 料金改定の歴史
クリックポストは2014年にサービスを開始していますが、この8年の間に4回の価格変更を行っています(2022年7月20日時点)。
- 【164円】:2014年6月 – サービス提供開始
- 【185円】:2018年9月 – 郵便料金見直しによる値上げ
- 【188円】:2019年10月 – 消費税10%による値上げ
- 【198円】:2020年4月 – 人件費高騰・サービス安定提供による値上げ
- 【185円】:2022年7月 – サービス見直しによる値下げ [NEW!!]
2022年7月の値下げにより、価格は2018年9月当時の185円に戻りました。
ただサービス提供開始からみると21円の値上げ幅となり、値上げ率は13%近くなります。
例えばレターパックプラスは同じ期間で20円の値上げに止まっており、その値上げ率は4%。
クリックポストの値上げが突出していることがわかります。

クリックポストは自分でラベルを印刷する都合上、送料変更が容易なのが価格変動が多い主な要因となっています。
なぜ値下げしたのか。理由は?
人件費等のコスト増大が当たり前のこのご時世で、なぜクリックポストが値下げしたのか、ちょっと気になりますよね。
予想になりますが、その原因は価格競争だと思われます。
あくまでも私の周りの話ですが、クリックポストと類似規格である、ヤマト運輸の「ネコポス」のシェアが拡大していました。
ネコポスはメルカリやヤフオクで馴染みがありますが、個人で利用するにはヤマト運輸との契約が必要です。
今まではクリックポスト以下の価格になるにはハードルが高かったのですが、直近1~2年は取扱量がそこまで多くなくても200円を切る価格になることもあったとか…(もちろん営業所によります)。

規模が大きい会社さんだと170円~180円という話も聞いたことがあります。
ネコポスはラベルの提供もありますし、集荷にも対応してくれる営業所が多いため、同価格だったらクリックポストより断然ネコポスが選ばれます。
なので日本郵便はクリックポストの取扱量が低下していることに危機感を抱いて、今回の値下げに踏み切ったのでは…という予測が立ちます。
現に日経新聞の記事を見てみると
「フリーマーケットサイトなどで電子商取引(EC)需要が拡大する中、競争力のある価格ということを考えて判断した。他の商品の値下げは現状考えていない」
日本郵便は21年度、順調に数を伸ばしてきたゆうパケット(クリックポスト含む)が反動減もあり、15・4%減と落ち込んだ。20年10月のフリマアプリでの値上げの影響で減少したことも尾を引き、21年度の取り扱い荷物数は9年度ぶりの前年割れと宅配大手で唯一、荷物数を減らしていた。
日本経済新聞:日本郵便、クリックポスト198円から185円に値下げ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2458F0U2A620C2000000/
とあり、荷物の総取扱量が増えている昨今で、小型発送のシェアが他社に奪われているのは確かなようです。
値下げ前に障害発生でトラブルも
クリックポストが値下げされたのは2022年7月20日からですが、その前日にクリックポストで大規模な障害が発生しました。
障害は朝9:30から夜中まで続き、翌日20日も一応は復旧したものの、接続が不安定な状況が続いています。
ゆうパケットやレターパックとは違い、クリックポストは料金決済からラベル印字まで、全てオンライン上で行います。
そのため、このような障害が発生したときは発送が一切できないという大きなデメリットがあります。
代わりの発送方法を探る
万が一クリックポストが利用できなくなった場合や、これからの価格変動に備え、常に他の発送方法をリサーチしておくことが重要です。
今回は大手3社(日本郵便・ヤマト運輸・佐川急便)の提供サービスで代わりになるサービスを探してみました。
スマートレター(日本郵便)
【料金:全国一律 180円(税込)】
スマートレターは信書も送れる封筒タイプの発送方法です。

値段は180円とお安いのですが、厚さが2cm・大きさがA5サイズとクリックポストより小さい規格となります。
配送はクリックポストと同じポスト投函となります。
また追跡サービスがないのと、土日祝の配送がありません。
小さい商品を安さ重視で送りたい場合や、信書を送りたい場合には第一選択肢となる発送方法になります。
レターパックライト(日本郵便)
【料金:全国一律 370円(税込)】
レターパックライトはA4サイズが送れる封筒タイプの発送方法です。

厚さと大きさはクリックポスト同様ですが、重さは4kgまでとレターパックライトに軍配が挙がります(クリックポストは1kg)。
ただし値段が370円と、クリックポストの倍になります。
ただし配送速度が準速達扱いとなるため、購入者の満足度は高い発送方法となります。
クリックポストとレターパックライトの比較についてはこちらの記事で細かく解説しています。是非合わせてご覧ください。
ゆうパケット(日本郵便)
【料金:全国一律 250円〜360円(税込)】
ゆうパケットは厚さで料金が変わるラベルタイプの発送方法です。

厚さが3cmになるとレターパックライトと変わらない料金となってしまいますが、1cm〜2cmだと商品によっては検討の価値があります。
発送速度は[レターパックライト > クリックポスト = ゆうパケット ]という順番に早いため、厚さ3cmのものを発送するのであればレターパックライトをオススメします。
ゆうメール(日本郵便)
【料金:全国一律 180円〜360円(税込)】
ゆうメールは重さで料金が変わる発送方法です。

送る商品によってはかなり安価に送れる方法ではあるのですが、送れる物がかなり限定的になります。

これらのもの以外は送ることができません。
また追跡サービスもありませんし、土日祝の配達もありませんのでご注意ください。
クロネコDM便(ヤマト運輸)
【料金:全国一律 〜167円(税込)】
クロネコDM便は名前の通りヤマト運輸が提供するダイレクトメールの発送サービスです。

この発送方法を利用するにはヤマト運輸との契約が必要となり、年間発送個数によって料金が異なります(上限は167円)。
また売買商品(オークションやフリマサイトの利用商品)を送るのは不可となっており、DM便に特化したサービスとなります。
ネコポス(ヤマト運輸)
【料金:全国一律 〜385円(税込)】
ネコポスはヤマト運輸が提供する小型荷物配送サービスです。

この発送方法を利用するにはヤマト運輸との契約が必要となり、年間発送個数によって料金が異なります(上限は385円)。
個人は契約ができず、個人事業主および法人のみが利用可能です。
クリックポストに比べれば配送が早く、また集荷にも対応してくれるため契約内容によってはオススメの発送方法の1つです。
飛脚メール便(佐川急便)
【料金:全国一律 168円〜325円(税込)】
飛脚メール便は佐川急便が提供する従量制の小型荷物専用のサービスです。

厚さ2cm以内という制限はありますが、300g以内は168円で送れる魅力的なサービスです。
この発送方法を利用するには佐川急便との契約が必要となり、年間発送個数によっては更なる割引を受けることが可能です。
ただし発送する側も受け取る側も「法人」である必要があるため、利用シーンがかなり限られた発送方法となります。
飛脚ゆうメール便(佐川急便)
【料金:全国一律 115円〜456円(税込)】
飛脚ゆうメール便は佐川急便と日本郵便が連携して提供しているサービスです。

佐川急便に荷物を預け、それを日本郵便が配送するというサービスになっています。
実質はゆうメールと同じサービスになるため、送れるものがかなり限定的です。

この発送方法を利用するには佐川急便との契約が必要となり、年間発送個数によっては更なる割引を受けることが可能です。
表にまとめてみる
上記の発送方法を表でまとめてみます。
※タップして拡大可能です
※クロネコDM便は除外しています
※ゆうメールは送れるものが限定的です
※2022年7月20日時点の料金です
送るモノや何を優先するのか(追跡が欲しいのか、速度が欲しいのか等)により最適な方法は異なりますが、個人の場合には日本郵便が提供している発送方法から選ぶしかありません。
オークション・フリマサイトでは独自の発送サービスを
ヤフオク・メルカリ・ラクマ・PayPayフリマ等では各配送業者との提携によりお得な発送サービスを提供していますので、それを利用することを強くオススメします。
ヤフオクなら「ゆうパケット(お手軽版)」「ゆうパック(お手軽版)」「ヤフネコ!パック」です。
メルカリなら「らくらくメルカリ便」「ゆうゆうメルカリ便」です。
これらの発送方法は安価な上、追跡あり・補償あり・何より匿名配送あり、と個人で利用できる発送サービスでは有り得ない特約が付いています。
最近はフリマアプリも送料変動が激しいです。詳しい状況はこちらのページでまとめていますので、合わせてご覧ください。
おわりに
値上げラッシュだったクリックポストが、ついに値下げに転じました。
- 厚さ3cm以内
- 追跡あり
- 土日祝配達あり
で185円(税込み)というのはかなり魅力的です。
ネコポスのような特別な契約がなく利用できるので、個人で小物を送るのには第一選択肢となる発送方法です。
また
- カラー印刷ではなくモノクロで
- 高還元クレジットカードやお得に手に入れたAmazonギフトで支払う
などを徹底することで更なるコストダウンが狙えます。詳しくはこちらの記事をどうぞ!
コメント
こんにちは。
沖縄県に移り住むと、間に海がある本州からの輸送に1週間かかるのが普通になるので、早く届く航空輸送の有り難さを身にしみて感じます。
クリックポスト、ゆうパケット→安いのは良いものの船便のため配達まで約1週間。メルカリやヨドバシ、アマゾンのネコポスや宅急便も船便で運ばれるため同様。メルカリの宅急便は可能な限り、内容品を詳細に入力し、ゆうパックに変更するよう頼んでいます。
ゆうメール、レターパックライト→古本など薄いものには最適。航空輸送のため配達まで2、3日。ゆうメールは土日休配なものの長期連休でなければ気にするほどではない。