数年前のお話になりますが、ひょんなことから上場企業の社長さんとご飯をご一緒させて頂く機会がありました。
北海道の札幌に拠点を構える会社の社長さんです。
「いやいや、社長と言ってもただのおっちゃんだよ」と言う社長はとても気さくな方で、お互いに子供の話をひらすらしていた記憶が強いです。
その中で「お小遣いのあげ方」という話題になったときの話が興味深く、また強く印象に残っています。
本ページでは「上場企業の社長が考えるお小遣いのあげ方」を私なりに解釈し、まとめています。
お小遣いのあげ方には大きく3つの種類がある
社長曰く、お小遣いのあげ方は大きく3種類あるとおっしゃっていました。
- 定額配布型
- 成果報酬型
- 自己提案型
言葉からなんとなく想像はつきますが、1つ1つどんなお小遣いのあげ方なのか、内容をみていきましょう。
定額配布型
定額配布型のお小遣いのあげ方は、小学校4年生なら500円/月・5年生なら700円/月・6年生なら1000円/月など、学年や年齢によって固定の金額を渡す方法です。
決まった金額を計画的に使う・貯める感覚が養われるお小遣いのあげ方です。
成果報酬型
成果報酬型は「洗い物を手伝ってくれたら50円あげる」や「テストで90点以上を取ったら100円をあげる」など、具体的な成果と交換にお金を渡す方法です。
お金を稼ぐ大変さ・お手伝いの習慣が養われるお小遣いのあげ方です。
自己提案型
自己提案型は一種の成果報酬型ではあるのですが、「洗い物を手伝ってくれたら50円あげる」というのを子供自らが提案し、実行するものです。
「提案」というと少し難しく感じますが、子供がよくやる「〇〇屋さんですよ〜、いかがですか〜」という遊びの延長上で考えるといいかもしれません。
「洗濯屋さん」でもいいですし「玄関の靴並べ大臣」でもなんでも構いません。
自己提案型は柔軟な思考や企画力・実行力が養われるお小遣いのあげ方です。
オススメは自己提案型
「どのお小遣いのあげ方も決して悪いものではない」という前提の元、社長さんがオススメするのは自己提案型とのことでした。
特に小学校1〜2年生くらい、早ければ幼稚園の年中〜年長くらいなどの早い段階での導入を強くオススメしたい、とまで言っていました。
その理由は「柔軟な思考」です。
小学校高学年〜中学生など、ある程度の年齢になってしまうと常識的な提案しか生まれないことが多いようです。
早ければ早いほど、独創的な提案が生まれることが多いようです。
私も小さい子供を持つ親として、なんとなくわかる気がします。
自己提案型のお小遣い制でやっていることは、家庭内限定ではありますが「起業そのもの」です。
これが身に付けば、小さい頃から「企画力」「提案力」「実行力」を養うことになります。
親がすべきことは肯定
自己提案型のお小遣い制では子供だけではなく、親も大変です。
子供の提案を親が吟味し、「良いところ・悪いところ・改善案」を提示する必要があるからです。
定額配布型や成果報酬制と比べると親の労力が多いですよね。
また、子供は言い方は悪いですが「くだらない提案」をしてくることもあるかもしれません。
それでも一蹴するのではなく、子供自らが発案したことを褒め称え、一緒に改善していく事が自己提案型の醍醐味です。
お金に汚くならない教育を
また自己提案型は突き詰めれば「お金稼ぎ」を前面に押し出したお小遣い制です。
放っておくとお金第一主義な思想になる可能性があります。
そんな守銭奴的な考えが身につかないように、「困っている人を手助けすることを第一に、その報酬としてお金が貰えるんだよ」という考え方を、小さいうちに強く教えてあげるべきだと考えます。
「商売の本質は人助け」であることを小さいうちから教えてあげる事が大切です。
中学生〜高校生になったら
このお小遣いの話を聞いたとき、社長のお子さんはまだ小学生なので家庭内のみで提案型のお小遣い制を行っていたようですが、「中学生・高校生になったら外に目を向けて同じことをやらせてみたい」とおっしゃっていました。
今はインターネットがあれば気軽に不特定多数に提案できる時代です。
またお金でお金が稼げる「投資」を教えてもいいかも知れません。
さすがに子供だけでやらせるのは心配な面もありますので、親が側に付きつつ、子供の可能性を育んでください。
おわりに
社長曰く、「あくまでもオススメは自己提案型だけれども、全ての子供に押し付けたいわけではない」とのこと。
向き・不向きがあるから、自己提案型が無理そうなら定額配布型や成果報酬型、またはそれらの両方でもいいとのこと。
でも「”お金は労働の対価である”という考え方は古い考えになりつつあるので、自分で何かを発信する力を養って欲しい」というのが上場起業の社長さんの考え方のようです。
まさに起業家!という発想ですよね。
必ずしもこのお小遣いのあげ方が正しいわけではないですが、どうやってお小遣いをあげるか迷っている方は是非1度試してみてはいかがでしょうか?
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