2020年12月1日、Kyashから改悪と改良が入り混じる発表がありました。
本ページではKyashが発表したニュースの中でも「残高利息の導入」について掘り下げて説明します。
なお、まだ開始されていないサービスに対する内容となるため、一部に推測・考察が含まれます。正しい情報が出次第、随時修正させて頂きます。
※2020年12月7日 追記
2020年12月8日スタート予定でしたが、前日に中止の発表がありました。
20/12/1 Kyashが発表した3つのニュース
2020年12月1日にKyashは次の3つの発表を行いました。
- 残高利息の導入
- 付与ポイント上限の変更
- クレジットカードからの事前チャージ廃止
この中で1番の衝撃は「付与ポイント上限の変更」です。
詳しくは別記事で解説しているので合わせてご確認ください。
本ページでは「残高利息の導入」について掘り下げていきます。
Kyashの残高利息サービスについて
Kyashが導入する残高利息サービスの概要は次の通りです。
開始日
2020年12月8日〜残高利息計算が発生します。
2020年12月8日スタート予定でしたが、前日に延期の発表がありました。
株式会社 Kyash(本社: 東京都港区、代表取締役: 鷹取 真一)は、12月1日(火)付で「残高利息」サービス(以下「本サービス」といいます。)についてご案内いたしましたが、各方面より大変多くの反響をいただき、当初想定していなかった混乱が生じる懸念があることなどを踏まえ、予定していた12月8日(火)からのサービスリリースを一旦中止し、本サービスの呼称及び内容を見直すことといたしました。
皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解賜りますよう何卒よろしくお願いいたします。
https://pr.kyash.co/post/636832028144353280/20201207
利息・利率
Kyashマネー残高の1%です。
利息を計算するタイミング
利息は「毎日23:59時点の残高」を対象に計算されます。
利息の付与日
毎月1日に付与されます。
残高利息を得る条件
残高利息を得るには複数の条件を満たす必要があります。
- 本人確認アカウントであること
- 前月に1回以上の決済実績があること(2020年12月は本人確認アカウント保有者全員が対象)
- 利息が発生する残高を保有していること
利息が付く残高
決済や送金、出金に利用できる残高(Kyashマネー)に対して利息がつきます。
決済のみに利用できる残高(Kyashバリュー)には利息が付きません(詳しくは後述)。
付与される利息の種類
Kyashバリュー(決済のみに利用できる残高)が付与されます。
KyashマネーとKyashバリュー
Kyashの残高には「Kyashマネー」と「Kyashバリュー」の2種類があります。
「Kyashマネー」は決済・送金・出金の3つが出来る残高です。
「Kyashバリュー」は決済は出来るけれども、送金・出金が出来ない残高です。
残高の種類はチャージの仕方によって決まります。
赤枠は「Kyashマネー」、青枠が「Kyashバリュー」です。
繰り返しになりますが、残高利息が付くのは赤枠のKyashマネーのみになります。
複利は期待できる?
Kyashの残高利息サービスで付与される残高は「Kyashバリュー」になります。
「Kyashバリュー」は利息の対象になる残高ではないため、複利効果はありません。
残高の上限・利息の上限は?
Kyashの残高上限は100万円または1,000万円のどちらかです。
Kyashの利用規約を見ると、Kyashマネーの保有残高上限は100万円と記載があります。
ですがKyashが公開している上限表を見てみるとKyash Card Virtualの保有可能残高が1,000万円となっています。
しかしその下の「有効期限内の利用限度額」は100万円です。
カードの有効期限は5年なので、カードを更新しつつ50年かけたら使い切れる計算に…。
(本当にこんな解釈でいいのか、公式に質問中です。)
これを踏まえると
- 残高100万円の場合:利息は年間1万円、月々約833円
- 残高1,000万円の場合:利息は年間10万円、月々約8333円
が利息としてKyashバリューで毎月1日に付与されます。
利息に税金はかかるの?
通常、銀行預金の利息には税金(所得税・復興特別所得税15.315%、地方税5%の計20.315%)がかかります。
しかしKyashの利用規約を読みましたが、「利息に対する税金はどうなる?」という旨の記載はありませんでした。
現時点では利息として付与されるものが出金・送金不可のKyashバリューなので、「源泉課税する必要がない」という認識なのかも知れません。
Kyashマネーを出金するには?
利息が付く残高のKyashマネーは指定の口座に出金ができます。
手数料は220円/回で、1度に100万円まで出金が可能です。
Kyashが破産・倒産したらどうなる?
「利息が付く」と聞いて真っ先に思い浮かぶのが「破産したら残高はどうなるの?」という点です。
Kyashの利用規約を見る限りですが、破産するような状況になった場合には残高が失効する可能性が高いと思われます。
長くなるので一部抜粋しますが、Kyashの利用規約 第27条(利用者に対する本サービス等の利用停止、その他措置等)に
当社は、利用者が、前条の規定に違反した場合、又は違反するおそれがあると当社が判断した場合、もしくは以下の各号のいずれかに該当する場合、当該利用者による本サービス等(本アプリ、本カードも含まれます。)の利用の停止、中止、アカウントの削除、本サービス等からの退会、Kyashマネー及びKyashバリューの失効、その他当社が必要と判断する措置を、当該利用者への事前の通知なく講じることができるものとします。但し、第8号に該当する場合には、本サービス等の利用の停止、中止のみ行います。
中略
(6) 債務超過、無資力、支払停止又は支払不能もしくは破産手続開始決定、民事再生手続開始決定その他これに類する倒産手続が開始された場合
https://kyash.co/legal/terms/money-account
と書かれています。
要するに「お金が無くなって倒産した場合、Kyash残高(Kyashマネー及びKyashバリュー)は事前通知なく失効させますよ」と書かれています。
Kyashは三井住友銀行系の会社(出資元が三井住友銀行や伊藤忠商事)なので簡単に潰れることはないかも知れませんが、こんな規約になっているということは頭に入れておきましょう。
残高がある場合にはカード決済が使えない?
Kyashの1番の魅力は何と言っても「紐付けクレジットカードの還元率 + 1%」の二重取りです。
2020年12月11日よりポイント付与上限が1200P→500Pに下がりますが、それでも魅力的な機能です。
しかし今回追加される残高利息の恩恵をフルに受けるには潤沢なKyash残高を用意する必要があります。
Kyashで決済するときに優先的に消費されるのはKyash残高のため、クレジットカード利用との両立が非常に難しくなります。
そのためKyashユーザは次の2通りの使い方になると推測されます。
- 銀行チャージユーザ:1%還元が月1,200P(決済12万)まで得られ、1%の残高利息が付く
- クレカリンクユーザ:紐づけクレカの還元率 + 1%の還元が月500P(決済5万円)まで得られるが、残高利息は諦める
結論
残高利息機能はKyashを銀行チャージで使っている人にとってはかなり有益な機能になりそうです。
チャージする残高にもよりますが、決済額に対する還元率は2%以上も目指せます。
チャージする手間は必要ですが、還元率が低めのデビットカードをお使いの人には向いているのかな?と思いました。
ただし残高に対する保証はないため、チャージのし過ぎにはくれぐれもご注意ください。
個人的にはクレカを紐付けて月5万円までの還元率アップを享受する予定です。
おわりに
ほんの1年あまりでただの還元率底上げサービスから、銀行チックなサービスを提供するようになったKyash。
1%という利息は銀行預金利率に比べると格段に良いですが、預金のようにペイオフ方式(預金が1,000万円まで保護される等)ではないので注意が必要です。
コメント
こんにちは。
今回の改悪残念の一言につきますね。
はっきり言ってkyashカードに利息とか貯める方のメリットは求めていません。
あくまでプリペイドカードなのでお買い物して支払いをお得にというところに皆さんメリットを感じていたと思うのですが…。
それに規約に(預金目的で本サービス等を利用する行為)を違反行為と書いてあります。
違反するとアカウント停止されそうなるとチャージしていたお金はかえってこないようです。
預金目的というのが一体いくらからとkyash側が判断するのかわかりませんから、とてもまとまったお金はチャージするのは怖いですね。
残高に利息がつくというのは個人的には全く魅力を感じません。私もこれからは5万円分だけ
kyashで支払うということになりそうです。
いつも有意義な情報ありがとうございます。
今回も読んで頂きありがとうございます。
おっしゃる通り既存ユーザのほとんどはKyashに+αの還元を求めて使っているので、利息云々言われても…という感じですね。
預金目的については利息が付く条件である月1回決済を満たしていれば問題ないとは思いますが、いつでもアカウント停止が出来る規約というのは、残高を人質に取られているようで気持ちが良くないのは確かですね。
是非またお立ち寄りくださいませ。