最近は毎年のように各地で大地震や大雨等の災害が起こり、日本列島のどこに住んでいてもいつ大きな災害に見舞われ、不自由な生活を強いられることになるか分かりません。
私は2018年の北海道胆振東部地震で初めてブラックアウト(全域停電)を経験しました。
たった2~3日ではあるけれども、大きな不安と不自由な生活の中、電気が付いた時の喜びは今でも鮮明に覚えています。
本記事では当時の反省を生かし、やっておけば良かったこと、あって良かったもの、用意しておけば良かったもの、後日実際に購入したものなどをご紹介します。
事前に確認しておくこと
備えあれば憂いなしと言いますが、情報もその1つ。
事前に確認できることは今すぐにしておきましょう。
実際に胆振東部地震が起きる前に確認しておけば良かったなと思ったことをいくつかご紹介します。
停電時に水が止まるかを確認する
災害時における最重要ライフラインは「水」です。
胆振東部地震では大規模停電が起きたため、一部のマンション・アパートで断水が発生しました。
一軒家の水道は「直結直圧方式」という水圧で水を送るため停電になっても滅多に水が止まることはありません。
ですがマンションなどの集合住宅だと上層階まで水を送るために「受水槽式」または「直結増圧式」という方法で電力を使って配水していることが多いです。
そのため、低層階でも水が止まります。
実際に我が家は2階でしたが停電により水が止まりました。
地域全体の水が止まっているとばかり思っていましたが、近所の戸建ては水が出ていて羨ましかったです。
なので自分の住んでいる家は停電時に水が止まるのか?ということを確認しておきましょう。引越しのときもこれを意識するといいかもしれません。
共用水道の場所を確認する
停電によりマンション全体の水道が止まってしまった際も、1階管理人室や外の蛇口からは水が出ました。
トイレ等、早急に水が必要な時がありますので管理人さん不在でも水が使用できるよう、共用部の蛇口は要確認です。
そのことに時間が経ってから気が付いたため、公園まで台車とバケツで水を汲みに行ってしまいました…
めちゃくちゃ重いしこぼれるし大変でした。
避難所を確認する
我が家は避難所にお世話になることはありませんでしたが、通りすがりに覗いてみると役所の人が受付をされていて、ビスケットの配布と手動の充電器の貸し出しを行っていました。
たいてい、近くの小学校や公民館などかと思いますがいざという時のために確認しておきましょう。
ハザードマップを確認する
正直、胆振東部地震を経験するまでは地盤などあまり考えたことがありませんでした。
しかし札幌でも地盤の緩いところは液状化したり、地盤沈下が起きていました。
元々持っている土地など仕方がないところはありますが、新たに引っ越し等される場合は絶対に譲ってはいけない項目です。
事前に対策すること
地震や停電に備えた対策は今すぐやってください。
脅かすわけではないですが我が家も対策不足で食器棚が倒れました。
電子機器の充電
私はスマホの充電がないのは不安なので、60~70%位でも充電しています。
その甲斐あってブラックアウトの際も充電には余裕があり、電気が通るまで何とか持ちこたえることができました。
電池的にどうなのかは分かりませんが、スマホ、パソコン、タブレットなどはある程度何かに備えて余裕のある充電をしておくことをおすすめします。
家具、テレビの転倒防止対策
引っ越し作業と同時に、新しい家具を備え付けたと同時にやらなければいけないのが背の高い家具などの転倒防止用具の取り付けです。
周りでも胆振東部地震の揺れでテレビが壊れた人が多くいました。
テレビ用の転倒防止ベルトや
簡単に使える耐震ジェルなど、便利なものが色々あります。
地震で心身ともに弱っているのに、大きな出費で懐まで弱らせたくはないです。
事前の備えが一番です。
食器棚の対策
大地震のときに倒れると困る代表格が食器棚です。
対策はしっかりしておきましょう。
転倒対策
我が家では現在このように突っ張り棒で食器棚を固定しています。
元々持っていた突っ張り棒が引っ越し後の家の天井に届かず放置している間に震災に見舞われ、見事に食器棚が倒れました。
震災後は慌てて設置しました…
ですが、見栄えも良くないのでこのような目立たないタイプもオススメです。
耐震ロック(耐震ラッチ)
震災の際、食器棚は見事に倒れていたのに棚がしっかりしまっていて食器割れの被害がほとんどありませんでした。
正確には倒れた状態では割れておらず、私が戻そうとした際にいくつか割ってしまっただけでした。
磁石が付いているだけなのに意外とすごいな~と思っていたのですが、2年越しに今気が付きました。
こんなのが付いていました!これ、耐震ロックというそうです。
ニトリの食器棚で何のこだわりもありませんでしたが、こんな素晴らしい細工があったなんて…!
もし食器棚にこのような機能がない場合には下のような商品で後付けも可能なので是非チェックしてみてください。
食器の滑り止めシート
食器の滑り止めシートは何となく敷くものだと思って敷いていただけですが、ちゃんと役に立ってくれたようです。
100円均一等でも手に入りますのでもし使っていなければすぐにご用意を~!
飛散防止フィルム
これ、我が家の食器棚のガラスです。
曇って見えるのは飛散防止フィルムです。
ニトリの食器棚、耐震ロックに加え、飛散防止にもなっていたんです。
感動しました。
地震対策が施された食器棚、とても優秀です。
もちろん、飛散防止フィルムを購入して自分で貼り付けるのもアリです。
事前に備えておくもの
大雨などであれば事前情報があるため、準備にも余裕がありますが地震はいつくるか分かりません。
ローリングストックで無駄なく備蓄と消費を繰り返し、備えましょう。
準備・備蓄するものは例えば…
- 食糧(水、飲料、インスタント食品、餅・ホットケーキなどの主食、缶詰、バナナなどのそのまま食べられるもの)
- 日用品(おむつ、おしりふき、トイレットペーパー、ティッシュ、洗剤、割り箸、紙皿、紙コップ)
- 燃料(ガスコンロ、ガスボンベ)
- 医薬品(消毒液、絆創膏、ガーゼ)
- 照明・通信器具(防災ラジオ・懐中電灯)
- 現金(停電時の買い物用。カード・電子マネーが使えなくなるため)
などが挙げられます。
詳しくは別記事で解説します(後日投稿予定)
この中でも確実に用意しておきたいのが防災ラジオです。
デマもあるTwitter等を見るよりもラジオで正確な情報を得られること、また一人暮らしであれば人の声が聴けるのは安心感につながります。
我が家は震災時にラジオを持っていなく、震災後にこの防災ラジオを買いました。
SONYのICF-B99という多機能ラジオです。
もしこれから防災ラジオを購入する予定の人は以下の条件を満たすラジオをオススメします。
- リチウムイオン電池と乾電池の両方で動くもの
- ソーラー充電と手回し充電の両方に対応しているもの
- 懐中電灯機能がついているもの
- スマホが充電できるもの
SONYのICF-B99はこれらを満たすかなり優秀なラジオです。
我が家では日ごろから天気の良い日に窓際に置き、充電をしています。
お値段は張りますがかなり万能です。
地震が起きた直後にすること
室内で地震が起きたと仮定すると、即座に行うべきは3つ。
身を守る、火の始末、出口の確保です。
それ以外は本震に備えて下手に動かないことが鉄則です。
完全に揺れが収まってから取るべき行動は下記の通りです。
情報収集
情報収集にはラジオが1番です。
今どのような状況なのか、あとどれくらいで復旧するのか、○○に行けばこんなサービスがあるなど、役に立つ正確な情報が得られます。
スマホアプリで聴くラジオも悪くはないけれど、充電が心配なので車でラジオを聞く方法や、やはり防災ラジオがめちゃめちゃ使えます。
水を溜める
戸建てや低層のアパートであれば水が止まる心配は少ないですが、停電により水が止まる給水方式の住まいであっても、給水方式によっては貯水槽に残っている水が空になるまでは水が出る可能性があります。
トイレ1回分を流すのにバケツ1杯分の水を使用すなど、水はあっという間に無くなります。
出来るだけすぐに浴槽やバケツに水を溜めましょう。
また、小さなお子さんがいるご家庭では事故に繋がりますのでお風呂のドアをロックする等、しっかり対策をしてください。
ガスの元栓を締める?
最近は震度5以上で自動的にガスが止まるため、急ぐことはありません。
ですが、もしガス漏れの臭いがする場合は絶対に火や電気を使わずにガス栓とメーターの元栓を閉めガス会社に連絡しましょう。
停電で換気扇が回らない場合は窓を開けて対応します。
停電後の行動
急に電気が落ちて真っ暗になるとびっくりしますよね。
胆振東部地震でも夜中の3時頃の揺れと停電で真っ暗なため特に片付けなどが出来ず、翌朝に落ちたものを片付けたりしました。
ブレーカーを落とす
停電が復旧した際に漏電などが原因で火災が起こる可能性があります。
地震で助かっても火事になっては大変です。
通電したかどうかは外灯などでも確認できますので絶対にブレーカーは落とします。
コンセントからプラグを抜く
停電が復活した際に一斉に家中の電化製品が動き出すとヒューズが飛んだりブレーカーが落ちたり、家電が壊れることもあります。
特に発熱する機械など、消費電力が大きいものは必ず抜きましょう。
携帯・スマートフォンを省電力モードにする
家族、職場等との連絡や情報収集のために電気が復旧するまでスマホのバッテリーを持たせたいところです。
まずは「省電力モード」にしましょう。
それから、使用しない時は「機内モード」にします。
何もしなくてもスマホは電波を探してバッテリーを消費するのでこれはかなり有効です。
最後に、「画面を最大限暗く」してください。
近くのコンビニ、スーパー等に行く
これは胆振東部地震での経験からですが、すぐに食料等、不足しているものを確保しないとあっという間に売り切れます。
胆振東部地震の時、午前中にコンビニに行くと長蛇の列で、店員さんが入り口にパンやおにぎりを集めて現金で販売してくれていました。
レジは動かないため端数は切り上げで、1人2品のような制限はありましたがめぼしいものはあっという間に売り切れます。
もちろんどこのコンビニ、スーパー、ドラッグストアも同様です。
それ以降はそもそも在庫が店に届かず常に棚がスカスカだったり、営業できない店舗もあるため営業しているうちにすぐに行動することが良いです。
また、個数制限がある場合、1人だと全然買えませんので家族でパパっと買い出しに行くことがオススメです。
備忘録
胆振東部地震でブラックアウトを経験し、印象に残っていることをいくつか挙げます。
洗濯はすぐ回す
疲れている日は「明日の朝洗濯機回そ~」と思う時があります。
でも絶対何でも後回しにしてはだめ。
震災の日も沢山の洗濯ものがありましたが、ちゃんと洗濯しておいて良かった~と心底思いました…
そこに汚れた衣類の山があるだけでストレスが増えます。
翌日に延ばしてたらどれほどの洗濯物が溜まっていたことか…考えただけで恐ろしい。
電気復旧後は冷蔵庫掃除
電気が復旧し明るくなった冷蔵庫を見てみると、色々溶けて汚れていました…
我が家の復旧は夜だったのですが、外せるものは外してお風呂で洗うなど突然の大掃除になりました…
タイムズカーシェアが役に立った
我が家は車が無いため、車でスマホの充電が出来ません。
でも近くのタイムズでカーシェアを予約して充電したり、家ではテレビも見られないので車で子供に少しDVDを見せてあげながらお菓子パーティしたりと良い気分転換にもなりました。
当サイトにはタイムズカーシェアの記事がたくさんあります。宜しければご覧ください。
停電復旧の早い場所
次のような施設が近くにある場所は電気の復旧がかなり速かったようです。
- 大きな病院
- 消防署
- 役所
- 刑務所
当然ですが道路が1本違うだけで復旧が遅くなったりするので、自分の家は停電しているのに窓から見えるマンションは電気がついている…なんて事も。
復旧までもうすぐだ~と期待が高まるのと同時に、めちゃくちゃ羨ましかったです。
基地局もダウンする
胆振東部地震では基地局もダウンしました。
幸い私の住む地域では復旧までは予備電源で何とか持ったようですが、スマホの充電を大事に温存していても、基地局がダウンしてしまえば通信は出来ません。
災害時は電話が繋がりにくくなるだけでなく、メールやラインも繋がらなくなることがあると初めて知りました。
離れて暮らす家族には基地局がダウンする前に早めの安否連絡を取ってください。
ガソリンに給油制限があった
我が家は車を持っていなかったので行っていませんが、ガソリンスタンドでは10リットルの給油制限があったようです。しかもどこに行っても長蛇の列…
ある程度残量が減ったら給油をする習慣を身に付けておくのも重要かもしれません。
おわりに
これだけ災害の多い日本で、備蓄!防災リュック!と頭では分かっていても実際きちんと用意している家って少ないと思います。
我が家ももともとまとめ買い派なので備蓄は多いですが、防災リュックもなければ携帯トイレなんかも用意できていません。
胆振東部地震でのブラックアウトの経験により、無知な私も災害時の知識がグッと増え、備蓄を見直したり、防災ラジオを購入したりもしています。
でも実際に困った経験が胆振東部地震しかないので、その時に必要性を感じたものしか用意できていないのが実情です。
ブラックアウト中は電気も水も止まって家事も出来ないしスマホも触れないので、子供と段ボールで家を作ったことが楽しかったです。
被災しても子供は何もわからずふざけて遊んで、その騒がしさが逆に有難かったです。
実際に被災した時のダメージを最小限にするためにも、正しい知識と準備で家族を守れるようにしておきたいものです。
災害時の備蓄品をまとめていますので併せてご覧ください。
コメント