会社を運営する上で欠かせない法人口座。
初めて会社を設立するときはどこの銀行で口座を開設しようか、迷ってしまいますよね。
特に何も考えずにいつも個人で使っていた地元の銀行を選択しがちですが…そこの銀行、本当にお得ですか?
本ページではお得面から見たオススメの法人口座を2つご紹介します。
法人口座はどこがオススメ?
結論から言うとお得面でのオススメの法人口座は「ゆうちょ銀行」と「住信SBIネット銀行」の2つです。
もちろん業種で考え方が違ったり、お付き合いがあったりで変わってくると思いますが、私はこの2つだけで十分だと感じています。
オススメの理由はいくつかありますので、1つ1つ見ていきましょう。
なお本ページは「1人社長~従業員数人」「振込件数が月10件~20件程度」など、小規模な会社目線での記事になります。
ゆうちょ銀行をオススメする理由
ゆうちょ銀行をオススメする理由は「支店が多い」「ATM手数料が無料」などいくつかありますが、法人ならではの視点では大きく3つあります。
口座を持っている人が多い
日本で1番口座数が多いのがゆうちょ銀行です。一説には1億2千万口座ほどあるとかないとか…
口座数が多いということは、お客様がゆうちょ銀行を持っている可能性が高いということ。
ゆうちょダイレクトを使えばゆうちょ銀行同士であれば振込手数料は無料です。
特に小売業など一般のお客様からの入金がある業種では、振込先にゆうちょ銀行があると喜ばれることが多いです。
振込手数料が優遇されていることがある
ゆうちょ銀行は各種サービスの振込手数料が優遇されていることが多いです。
例えば当サイトではa8.netという大手のアフィリエイトサイトを活用しています。
こちらのサービスは成果報酬の振込手数料が有料なのですが、振込先の銀行と金額よって手数料が変わります。表の通り、ゆうちょ銀行が最安値です。
このように「ゆうちょ銀行」と「ゆうちょ銀行以外」で手数料が異なるケースは意外と多く、細かい金額ではありますがゆうちょ銀行の法人口座があるだけで手数料が節約できます。
ゆうちょダイレクトで月5回まで振込手数料無料
個人口座ではゆうちょダイレクトを利用すると月5回までゆうちょ銀行宛であれば振込手数料が無料ですが、これは法人口座も同様です。
振込手数料が無料になる法人口座は少ないので貴重ですよね。
またゆうちょダイレクトプラスという無通帳口座に変更すると、2021年3月以降の明細であれば過去20年分がいつでも閲覧できるので、通常の通帳より利便性も高いです。
注意点も
以上3つがゆうちょ銀行法人口座のオススメポイントですが、注意点もあります。
1つ目は口座開設の面倒さです。
あとに紹介する住信SBIネット銀行に比べると、「来店必須」「書類複数」「株主名簿も必要」などちょっと面倒です。
ですが1回きりの手続きなので、用意する書類などをしっかり確認してから望みましょう。
2つ目の注意点は預金限度額です。
法人口座でも1300万円の上限が設けられているため、現金を多く取り扱う業種には向いていない可能性があります。
振替口座であれば無制限ですが、開設した支店でしか預金引き出しが出来ないなどの制限が付きます。
住信SBIネット銀行をオススメする理由
次にオススメしたいのが住信SBIネット銀行の法人口座です。
特に普段から個人で住信SBIネット銀行を利用している人には強くオススメしたいです。
振込手数料が最大月20回無料
住信SBIネット銀行の最大の魅力は振込手数料の無料回数です。法人口座で断トツの最大月20回まで無料になっています。
月20回を無料にする条件は
- 月10件以上振り込まれる(+10回無料)
- デビットカードで月10万決済(+10回無料)
の2つを満たすだけです。片方クリアするだけでも月10回無料は魅力的です。
「月10件以上振り込まれる」という条件達成が難しい人は、ちょっとずるいですが個人の住信SBIネット銀行口座から振り込むことでも達成できます。住信SBI同士の振込は手数料0円なので、ノーコストでクリアできますよね。
さすがに毎月手動で振り込むのは面倒なので、「定額自動振込サービス」を活用しましょう。
決まった日に定額を振り込んでくれるサービスで、家賃の支払いなどに活用される機能です。
まずは個人の住信SBIネット銀行口座に10件の自動振込を登録します。私は毎月10日に1円を10回振り込むように設定しています。定額自動振込サービスは10件しか登録できませんのでご注意ください。
自動振込の設定は面倒ですが、1回設定するとあとは放っておくだけで月10回の振込手数料無料特典が活用できます。
これに加え、デビットカード10万円決済の特典もクリアすると月20回が無料です。
1振込の手数料がざっくり300円だとすると、年間72,000円も浮くのは大きいです。
口座開設手続きが簡単
住信SBIネット銀行の法人口座開設手続きはすごく簡単です。
手続き方法は「オンライン開設」と「郵送開設」の2種類あるのですが、オンライン開設がスピーディーでオススメです。
私は2020年11月30日に申し込みましたが、2日後には口座開設完了の連絡が届いていました。
提出書類も登記簿謄本や株主名簿などを用意する必要がないため、あっという間に手続きが完了しました。
GMOあおぞらネット銀行は?
開設する法人口座を選ぶ上でもう1つ迷ったのがGMOあおぞらネット銀行です。
こちらも
- 来店不要の口座開設
- 振込手数料が最安値水準
- セブン銀行ATMやイオン銀行ATMで入出金可能
- GMOあおぞらネット銀行同士なら振込手数料無料
など魅力的な部分がいくつもあったのですが、私は開設をしませんでした。
開設しなかった理由は私の利用方法には合わなかったからです。
GMOあおぞらネット銀行では「振込料金とくとく会員」という有料コースがあります。
月額1980円はかかりますが、「振込手数料の優遇」「ATM出金が月5回まで無料」などの特典があります。
この有料コースの強みは3万円以上の振込手数料です。
ちなみにこちらが住信SBIネット銀行の振込手数料です。
3万円未満の振込手数料は「月額無料の住信SBIネット銀行」が優勢ですが、3万円以上は「有料コースのGMOあおぞらネット銀行」のほうが90円もお得です。
そのため月に3万円以上の振込を頻繁にする法人にとっては、GMOあおぞらネット銀行はオススメです。
私はそこまで振込をしないため開設には至りませんでした。
また個人口座にGMOあおぞらネット銀行を利用している人にとっても、入出金が無料となるため資金移動が潤滑にできるのでオススメです。
融資を受けるつもりなら地銀か信用金庫がオススメ
もし将来的に銀行から融資を受ける予定があるのならば、ゆうちょ銀行やネット銀行ではなく地銀などで口座開設をしましょう。
いきなり融資の相談に行っても渋い反応をされますが、取引実績があればある程度話を聞いてくれる銀行が多いです。
なお中小零細企業が大手都市銀行(三菱UFJ銀行や三井住友銀行など)で取引実績を作るのは無駄な努力となります。
メガバンクと呼ばれるような銀行の融資は中小企業は相手にされません。実績を作るなら地銀がオススメです。
また意外と盲点なのが信用金庫です。
信用金庫は「地域の繁栄」を目的にした金融機関で、主な融資先は地元の中小企業です。
地に足をつけた商売をしていると、快く相談に乗ってもらえると思います。
まとめ
お得面からみたオススメの法人口座は「ゆうちょ銀行」と「住信SBIネット銀行」の2つです。
「GMOあおぞらネット銀行」も3万円以上の振込を多くするのであれば、有料コースに加入すると長い目で見たときにお得になるケースがあるので人によってはオススメできます。
なお融資を受けることを考えている場合はこの限りではありません。
地元の地銀や信用金庫など、親身になって相談できる信頼関係を築けるかが重要になりますので、普段から地道に取引実績を作ることが大切です。
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