あなたが、子供に就いてほしい職業は何ですか？
変化の激しい時代だからこそ、子供には安定した、将来性のある職業に就いてほしいものです。
しかしながら先行きが不透明な中、どんな職業を選べばよいのか悩むのは当然のことです。
そこで本記事では、シリーズ累計50万部を突破している人気書籍、「大人になったら何になりたい? 日本の給料＆職業図鑑 こども編」から、安定性や将来性の高い職業ベスト10について解説します。
今回は、資格が必要な職業にフォーカスして選出しました。
資格には以下のようなメリットがあるためです。
- 就職、転職に有利
- 給料アップにつながる
- 仕事の幅が広がる
- 年齢に関係なく需要がある
「AIに奪われない なくならない子供におすすめの職業ベスト10」についてはこちらの記事でまとめています。
この記事を読めば、オススメの資格や職業の安定性、将来性、給料の目安、仕事内容、がわかります。
資格取得は早いほうがいい
資格取得は年齢を重ねるにつれて困難になっていきます。
私はこれまで、多くの職業を経験してきました。
中には資格が必要な仕事もあり、働きながら教習所に通ったり、子供が寝た後に勉強したりしていました。
ですが専門学校の卒業が前提の資格や、8時間の講習を20日ほど受ける必要がある資格など、働きながら取得するのが困難なものも多々あります。
親元を離れ自立、結婚、出産など、年齢を重ねるごとに自由に使える時間が少なくなれば、資格取得は難しくなるでしょう。
ですので学生時代または時間、金銭的に余裕があるうちに取得することをオススメします。
小・中学生の子供には、親が資格や職業の情報を提供するなどして、サポートしてあげたいですね。
オススメの職業ベスト10
このランキングは、安定性、将来性、給料、休日や労働環境、その資格の汎用性などから、私の独断で順位を決めました。
とはいえ、どれもオススメの職業ですので、お子様の適性に合ったものを選んでいただければと思います。
- プログラマー・システムエンジニア
- 建築家
- ファイナンシャルプランナー
- 管理栄養士
- ホワイトハッカー（セキュリティエンジニア）
- 看護師
- 助産師
- 柔道整体師
- 獣医師
- パティシエ・料理人
以下ではそれぞれの職業に必要な資格や、仕事内容、給料などについてまとめています。
プログラマー・システムエンジニア
安定性、将来性については「◎、〇、△」の3段階で評価しています。
- 必要な資格：PHP技術者認定試験、Ruby技術者認定試験、C言語プログラミング能力認定試験、Javaプログラミング能力認定試験、基本情報技術者試験など。*¹
- 安定性：◎
- 将来性：◎
- 勤務時間、休日：8時間〜10時間ほど、週休2日
- 平均給料：400万〜1億円ほど
*¹厳密には資格がいらない仕事ですが、能力の証明になるため就職や転職、キャリアアップに有利になります。
オススメの理由
現在急成長している分野の職業で、常に需要があり、福利厚生の水準も一定以上見込まれるため、1位としました。
プログラマーはコンピューターに命令を出す、様々なプログラムを実行する職業で、IT業界には欠かせない存在です。
IT技術を持つ人材は、常に人手不足と言われるほど需要が高く、経済産業省の調査によると2030年には約59万人のIT人材が不足する、とされています。*¹
また実力のあるプログラマーは、フリーランスとして独立したり、起業したりといった働き方も可能です。
*¹出典：経済産業省 IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果（https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/daiyoji_sangyo_skill/pdf/001_s02_00.pdf）
仕事内容
コンピューターは、プログラミング言語という言葉で書かれた「プログラム」に従って動作します。
このプログラムを作り、コンピューターを正常に動作させるのがプログラマーです。
とはいえキーボードを打つだけが仕事ではなく、他のIT技術者などとアイデアを出し合ったり、プログラム作成の計画について話し合ったりもします。
コンピューターへの命令が1つでも抜けていると正しく動作しないので、あらゆる場面を想定し、すべてのパターンに対応できるプログラムを作れるよう試行錯誤します。
建築家
- 必要な資格：一級建築士*¹
- 安定性：◎
- 将来性：◎
- 勤務時間、休日：8時間ほど、週休2日が多い
- 平均給料：600万〜700万円ほど
*¹二級建築士以下の資格は安定性、将来性、汎用性が大きく下がります。
オススメの理由
一級建築士は設計以外の職業にも有利な資格であり、建設業界では若手建築士の需要が高まっています。
公務員として公共建築物の施工、維持管理をしたり、不動産業やコンサル業などで建築物の企画調査や診断を行ったりと、広い分野で活躍できるのが一級建築士の強みです。
また独立できる点も大きなポイントで、収入アップが期待でき引退のタイミングも自分で決められます。
仕事内容
大学などを卒業後は設計事務所に勤めるのが一般的です。
設計図の作成や、建築現場での確認作業などが主な業務ですが、依頼主や作業員とのコミュニケーションも重要な仕事です。
どのような建築物にするか時間をかけて依頼主にヒアリングしたり、現場の作業員と進捗を確認したりと、様々な人とコミュニケーションを取りながら建築物を完成へと導きます。
ファイナンシャルプランナー
- 必要な資格：ファイナンシャルプランニング技能士 2級以上
- 安定性：◎
- 将来性：◎
- 勤務時間、休日：8時間ほど、週休2日
- 平均給料：300万〜1000万円ほど
オススメの理由
ファイナンシャルプランナーは幅広いお金の知識を持っているので、多くの業界で活躍できます。
銀行や保険などの金融業、不動産業、税理・会計事務所など、給料水準の高い業界で人気の資格です。
ファイナンシャルプランナーは働き方のバリエーションが豊富であるため、コンサルタントとして独立することもできます。
仕事内容
基本的には、顧客の金銭状況などを踏まえてお金の運用や貯蓄の提案をしたり、不動産についての資金計画について総合的にアドバイスしたりするのが仕事です。
ですのでお金や制度などに対する広い知識と、コミュニケーション力が重要になります。
顧客にとっては一生に一度の、重大な決断になる場合もあるため、相手の気持ちを理解し、信頼してもらえるような誠実さが求められます。
管理栄養士
- 必要な資格：管理栄養士
- 安定性：◎
- 将来性：◎
- 勤務時間、休日：8時間ほど、週休2日（シフト制の場合もある）
- 平均給料：400万円ほど
オススメの理由
管理栄養士資格を持っていると多くの職業で活躍できますし、職場によっては無くてはならない存在です。
病院、学校、保健所、福祉施設、市役所、スポーツ施設など、選べる職業の幅が広い点がメリットです。
年を重ねて体力が衰えても栄養指導や相談役になるなど、長く活躍できる点も魅力的です。
仕事内容
主な業務は、病院などで献立を考え、栄養指導をしたり食事を作ったりすることです。
数字の上で完璧な栄養バランスを考えるだけではなく、患者がきちんと食べられるような献立にしなければなりません。
入院患者にとって食事が唯一の楽しみである場合も多く、食事を工夫するアイデアや思いやりの気持ちが大切な職業です。
ホワイトハッカー（セキュリティエンジニア）
- 必要な資格：情報処理安全確保支援士
- 安定性：◎
- 将来性：◎
- 勤務時間、休日：8時間〜10時間ほど、週休2日
- 平均給料：350万〜650万円ほど
オススメの理由
ホワイトハッカーはコンピューターの警備員です。
IT犯罪が年々増えている中、コンピューターの安全を確保するホワイトハッカーは、必要不可欠な存在といえます。
就職先はIT業界だけでなく、公的な機関や組織、企業のセキュリティ担当など、幅広く活躍できます。
転職しながらキャリアアップしていくのが一般的で、フリーランスとして独立したり、システム開発に携わったりするなどの働き方も可能です。
仕事内容
ホワイトハッカーは脅威からコンピューターを守る職業です。
犯罪者の立場になって実際にトラブルを起こせるかを試したり、強固なセキュリティプログラムの作成や事故対応をしたりするのが主な業務です。
また現在は家電や車などあらゆるものにコンピューターが組み込まれているため、それぞれの分野に詳しい人材を集め、チームとして仕事に取り組むこともあります。
ホワイトハッカーは機密情報を扱う仕事柄、クライアントに対する守秘義務や情報漏洩について細心の注意を払う必要があります。
看護師
- 必要な資格：看護師
- 安定性：◎
- 将来性：◎
- 勤務時間、休日：8時間ほど*¹、週休2日
- 平均給料：500万円ほど
*¹日直、夜勤など、交代制で働くことが多いため、不規則なシフトになりやすい傾向があります。
オススメの理由
“将来なりたい職業”、“子供に就いてほしい職業”どちらも上位にランクインするのが看護師です。
看護師の資格でカバーできる職種は広く、病院、保育園、老人ホーム、障害者施設、健診センター、美容クリニック、行政での保健活動などが主な就職先で、転職にも有利です。
福利厚生や収入が安定している職場が多く、人気の職業なのもうなずけます。
仕事内容
看護師の仕事は医師が行う治療や診療の手助けをすることです。
患者の症状を聞き出したり体温や血圧を測定したり、治療のための注射や点滴を行ったりします。
また手術の準備や術後の観察、医療スタッフや家族とのコミュニケーションも重要な仕事です。
助産師
- 必要な資格：看護師と助産師
- 安定性：◎
- 将来性：◎
- 勤務時間、休日：日勤・夜勤に分かれ24時間体制で勤務、週休2日
- 平均給料：300万〜1000万円ほど
オススメの理由
赤ちゃんをとりあげることができるのは、医師と助産師だけです。
助産師は看護師として働くこともでき、助産所を開業することもできます。
活躍できる職場も多く、病院、保健所、クリニック、ケアハウス、専門学校の教師など、様々な働き方ができます。
私は助産師の知人から「無事赤ちゃんが産まれた瞬間は、何物にも代えがたい」と仕事のやりがいを聞きました。
仕事内容
出産の立ち合いだけでなく、母親学級などを開き妊娠や出産について授業したり、産後の指導やメンタルケアなどを行ったりします。
助産師は命の現場に立ち会う職業なのでいつも緊張感があり、冷静に対応することが求められます。
また小、中学校へ行き、子供たちに命とは何か性とは何かについて話すこともあります。
柔道整体師
- 必要な資格：柔道整復師
- 安定性：〇
- 将来性：◎
- 勤務時間、休日：8時間〜10時間*¹、日曜日
- 平均給料：300万〜800万円ほど
*¹8時〜12時、15時〜20時など、朝早くから夜遅くまで営業している接骨院が多い。
オススメの理由
柔道整復師は働き方の幅が広く、接骨院、整形外科、老人ホーム、スポーツトレーナーなどに就職できます。
今後は高齢化に伴い、ますます需要が高まることが予想される職業です。
独立して接骨院を開業できる点や、スポーツ選手の専属トレーナーになれる可能性がある点などは将来性があり、魅力的に感じます。
仕事内容
柔道整復師は人間の持つ自然治癒力を引き出し、ケガや痛みを取り除く専門家です。
ねんざや骨折、脱臼などの治療、マッサージ、リハビリテーションなどを行います。
薬の処方や手術、レントゲン撮影などはできませんが、身につけた技術で治療を行うためベテランになるほど需要が高まる職業です。
海外では「柔道セラピスト」と呼ばれ注目され始めています。
獣医師
- 必要な資格：獣医師免許
- 安定性：〇
- 将来性：◎
- 勤務時間、休日：8時間〜10時間ほど*¹、週休2日
- 平均給料：400万〜1000万円ほど
*¹夜勤当番などの手当てにより増減する。
オススメの理由
動物が好きな子供にオススメしたい職業です。
動物病院の他、家畜保健衛生所、製薬会社、ペット関連企業、食肉検査員、大学教員などの職場で活躍できます。
ペット業界では「エキゾチックアニマル」と呼ばれる、カエルやトカゲ類のペット需要が高まっており、専門の動物病院を開業する働き方もあります。
仕事内容
獣医師は家畜を扱う獣医と、ペットを扱う獣医に分かれます。
どちらも獣医師免許があれば就職できますが、扱う動物の種類と仕事内容が全く違います。
家畜の獣医は牛や馬、豚などが主な対象で、病気やけがの治療、病気の予防、健康観察、畜産農家へのアドバイスなどが主な業務です。
ペットの獣医は、犬や猫をはじめとした小動物、爬虫類などの健康診断、検査、手術、投薬、飼い主への説明やアドバイスなどを行います。
パティシエ・料理人
- 必要な資格：調理師、菓子製造技能士、菓子衛生師、食品衛生責任者
- 安定性：〇
- 将来性：〇
- 勤務時間、休日：10時間ほど、週休1日
- 平均給料：200万〜1200万円ほど
オススメの理由
今後もなくならない職業であり、“将来なりたい職業”として子供にも人気があります。
食に関する分野で活躍でき、ホテルやレストラン、個人店、フランチャイズ経営、店舗を構えて独立することも可能です。
自分の技術次第で様々な働き方ができる、夢のある職業です。
仕事内容
食事やスイーツを提供するのが仕事で、仕入れ、仕込み、調理などが主な業務です。
仕入れは市場などに行くこともあり、よいものを見極める力や適切な値段で仕入れる知識が必要になります。
また新しいメニューの開発やスイーツのデザインを考えるなど、仕事内容は多岐にわたります。
まとめ
これまで紹介した職業ベスト10を簡単な表にまとめました。
それぞれ、必要な資格、安定性、将来性、勤務時間と休日、平均給料は以下の通りです（タップで拡大できます）。
上記の表からわかることをまとめると、次のような結果になりました。
- 最も収入が安定しているのは「建築士」
- 大きく稼げる可能性、将来性があるのは「プログラマー」
- 労働時間、収入、将来性などバランスがよい職業は「ファイナンシャルプランナー」
- 人気と可能性がある反面、労働時間や残業が多いのは「パティシエ・料理人」
本記事で解説した職業のほとんどは国家資格が必要なので、しっかり対策して試験に臨みたいですね。
資格・職業選びで重要なポイント
子供に資格や職業をオススメする際に最も重要なポイントは、子供の適正を把握することです。
私は親として、「子供には安定した職業に就いてほしい」と望んでいますが、それ以上に大切なのは子供の適性や夢、向き不向きです。
興味関心や得意なこと、苦手なことなど、子供の適性をしっかりと把握し、意欲的に働ける職業を見つける手助けをしてあげたいものです。
まずは世の中にどんな仕事があるのかを、子供と一緒に調べることから始めましょう。
おわりに
今回は親として子供にオススメしたい職業と、自分の転職経験を踏まえて10種類に絞り、解説しました。
なお医師や弁護士などは理想的な職業ですが、取得難易度の高い資格のため除外しました。
本記事が、お子様と未来を考える一助になれば幸いです。
また、当ブログでは子育てに関する記事を多くまとめていますので、宜しければ併せてご閲覧ください。
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