「後払いデビット」という決済方法をご存知でしょうか?
デビットカードの仕組みを知っている人なら「ん?デビットなのに後払い?」と疑問に思う言葉ですよね。
あまり聞き慣れない単語ですが、海外では普通に使われている決済方法のようです。
本記事では後払いデビットとは何なのか、デビットカードやクレジットカードとの違いついてまとめました。
詳しくは記事内で書きますが、日本では「後払いデビット」は流通していないため、「ふ〜ん、そんな決済方法もあるんだ」程度で読んで頂ければと思います。
クレジットカードとデビットカード
キャッシュレス決済で最もメジャーなのはクレジットカードです。
クレジットカードは、引き落とし日にまとめて口座から支払われる「後払い」です。
審査もあるため、基本的には高校生を除く18歳以上の収入がある人が作れるカードです。
一方デビットカードは、会計時に口座から引き落としされます。
預金の範囲内でしか支払いが出来ないため原則的に審査はなく、中学生を除く15歳以上なら誰でも持つことが出来ます。
簡単にまとめると、
- クレジットカード:後払い
- デビットカード:即時支払い
ということになります。
後払いデビットってなに?
アメリカやイギリス等の欧米主要国ではデビットカードの使用率が高く、国によってはクレジットカードよりもデビットカードが主流なのだとか。
そんな海外のデビットカードには2種類の支払い方式があります。
2種類のデビットカード
海外で使われているデビットカードには、
- 商品購入時に即時に残高を引き落とす「即時払いデビット」
- カード決済時に口座照会のみを行い、後日口座引き落としをする「後払いデビット」
の2種類があります。前者の「即時払いデビット」がいわゆる日本のデビットカードに相当します。
「デビットカード=即時引き落とし」だけど、後払いデビットはクレジットカードのような感覚です。
しかし日本ではクレジットカードが主流でデビットカードはあまり浸透しておらず、そもそも後払いデビットは流通していません。
後払いデビットとクレジットカードの違い
クレジットカードも後払いデビットも「後から口座から引き落とされる」という点では同じですが、2点違う点があります。
1つ目の違いはお金の借り先です。
クレジットカードは信販会社がお金を建て替えていますが、後払いデビットは銀行が建て替えを行います。
例えば「クレジットカードが作れないけれども後払いをしたい」という人には需要があるのかもしれません。
2つ目の違いは借金への忌避感です。
クレジットカードは信用を盾にお金を借りているという状況で、「借金は嫌だ」と思う人も一定数います。
後払いデビットも同様にお金を借りていることに変わりはないのですが、「信販会社を通さずに自分の口座から引き落とされる」という状況が「借金」という意識を持たなくて済む、という考えもあるようです。
個人的には「じゃあ即時支払いデビットでもよくない?」と思うのですが、後払いデビットはその時点で口座残高が足りなくても支払えるメリットがあるので好まれることもあるようです。
日本の後払いデビットに似たサービス
後払いサービスのない日本のデビットカードですが、「残高不足で支払い不可」とならないサービスもあるんです。
イオンデビットカードのバックアップサービス
イオンデビットカードのご利用は、総合口座当座貸越は適用されません。
イオン銀行
口座残高が不足していた場合には一時的にご利用金額を立て替えるバックアップサービスが適用されます。
つまり、銀行システム停止時や口座残高不足の際は、一時的に立て替えてくれるんです(10万円まで)。
なのでイオンのデビットカードはデビットカードには本来ない「審査」があります。
ジャパンネット銀行の自動融資
ジャパンネット銀行では、普通預金口座が残高不足でも口座自動振替やVisaデビット、ATM出金が利用できます。
これでレジでの支払不能や公共料金の滞納が防げるというわけですが、こちらは「ローン」なので不足分に利息が付きます(無料利息対象者の場合は付きません)。
どちらもオススメはしない
上で紹介した2サービス、特にジャパンネット銀行の自動融資は利息が付く可能性があるためオススメしません。
そもそも即時引き落としであるデビットカードなのに、事実上「借金」してしまうことは本末転倒です。
ならば初めからクレジットカードを使いたいところです。
デビットカードを使うなら口座残高の管理を怠らないように注意しましょう。
おわりに
日本ではクレジットカードに比べるとデビットカード自体があまり普及しておらず、宣伝も消極的な印象があります。
ですが、15歳から審査不要で利用できるため、クレジットカードを持つ前の予行練習で使用するのもアリかと思います。
また、キャッシュレス派だけどつい使いすぎて支払いに追われてしまう人や、頻繁にATMへ駆け込んでしまう人も即時引き落としのデビットカードの方が合っている場合もあります。
ATM手数料を払っている場合には特にです。
日本には後払いデビットが上陸することはたぶん無いとは思いますが、「こんな決済方法もあるんだな」と参考程度に思って頂ければ幸いです。
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