スマートフォンのサウンド認識機能はご存じでしょうか。
iPhoneであればiOS14の新機能に「サウンド認識」機能があります。
火災報知器やドアベルなど、特定の種類の音やアラートが検知されるとiPhone、iPad、iPod touchに通知が届くシステムです。
Androidでは専用アプリをインストールすることでiPhone同様にサウンド認識機能を利用することが出来ます。(一部のAndroid端末にはデフォルトでアプリが入っています)
今回はAndroidに専用アプリをインストールし、サウンド認識機能を使ってみることに。
本記事では、サウンド認識アプリの使用方法・検知できる音の種類の他、実際に音を検知してくれたのか?検知しやすい音、しずらい音についてまとめました。
サウンド認識とは?
サウンド認識機能のandroidアプリは「音声文字変換・音検知通知」というもので、聴覚障がいを持つ方や難聴の方を支援するものです。
Googleの自動音声認識と音検知技術により、リアルタイムで会話等の音声を文字変換したり、自宅での大切な音(火災警報や固定電話の着信音など)を検知して教えてくれます。
今回は「音検知通知」にピックアップして検証を進めてみます。
こんな時に便利
聴覚に問題が無い人にとっても、「音検知通知」は自宅での日常生活でとても役に立ちます。
例えば、
- テレワーク中に宅配便のピンポンの音を検知
- イヤホンでYouTubeを見ている時にお昼寝中の子供の泣き声を検知 などです。
まさに時代の流れで自宅でテレワークをしている人は多くいるため、多くの人に役立つ機能です。
アプリ「音声文字変換・音検知通知」をインストール
早速「音声文字変換・音検知通知」をインストールしてみます。
Google純正のアプリですので、ダウンロード数も桁違いですね。
アプリはインストールするだけで、その後は特に難しい設定はありません。
アプリを開くと様々な設定をすることもできますが、アプリを開かずともスマホの「設定」から音検知通知の詳細を見ることが出来ます。
続いてスマホの設定(歯車マーク⚙)をタップし、「ユーザー補助」を開くと、今までは無かった「音声文字変換」と「音検知通知」が表示されるようになりました。
「音検知通知」を有効にするには「音検知通知」をタップして…
サービスの使用を「オン」にしたのち、「設定」をタップします。
「ONにする」で進みます。
正確に音を検知するためにも注意事項に気を付けましょう。
これで音検知機能の利用が開始されます。
検知中は通常に比べて電池も消耗しますので、必要のない時はオフにしましょう。
検知できる音の種類は?
検知できる音は下記の9種類です。
- 煙・火災警報
- サイレン
- 赤ちゃんの声や音
- 犬の吠え声
- ドアフォンのベル
- ノックの音
- 家電の音
- 固定電話の着信音
- 流水
どれも重要度の高い音ですが、通知不要な音は設定から外すことが出来ます。
実験!どのくらい正確に音を検知できるのか?
実際に色々な音を鳴らして実験してみました。
今回は検知可能な9つの音全てを実験しましたが、実際に鳴らすのが難しい音は「YouTube」で音を再生しています。
検知できた音
まずはノック音。
ノック音を鳴らしてすぐにスマホに通知が来ました。
かなり感度が良さそうで、これは期待できそうです。
通知をタップすると、音を検知した時刻を詳細に教えてくれます。
ちょうど作動中だった食洗機の音をキャッチし、「家電の音」もこの通り見事に検知です。
しかし常に検知しているわけではなく、動作音が大きくなった際にだけ検知していました。
続いてYouTubeで「犬の吠え声」を検索して再生してみました。
YouTubeからの吠え声も見事に「吠え声」として検知してくれました。
また、蛇口を捻ってみたところ「流水音」も検知出来ました。
実験した9つの音のうち、4つが検知成功でした。
- ノック音
- 家電の音
- 犬の吠え声
- 流水
検知出来なかった音
なかなか感度が良さそうな「音検知通知」ですが、
- 赤ちゃんの泣き声
- ドアフォンのベル
- 着信音
- 煙・火災警報
- サイレン
これら5つの音は私の実験では検知できませんでした。
赤ちゃんの泣き声
まず「赤ちゃんの泣き声」です。
YouTubeのイヌの吠え声が検知できたので「赤ちゃんの泣き声」をYouTubeで再生してみましたが検知ならず。
色々な動画を試し、最終的に私が生で泣きまねをしましたが検知されませんでした。
個人的には一番検知してほしい音だったため残念です。
ドアフォンのベル
次に「ドアフォンのベル」。
一般的なインターホンの「ピンポーン」という音だったのですが検知ならず。
音量を上げたり、音の種類を変えてみましたが検知できずでした。
着信音
続いて「着信音」。
検知可能なのは「固定電話の着信音」ですが、固定電話が無いため「音検知通知」で使用しているものとは別のスマホの着信音を鳴らして実験しました。
着信音を色々と変えてみても「家電の音」と検知されるばかりで着信音と認められませんでした。
確かにスマホで音検知を通知するのでスマホの着信音を通知する必要はないかもしれませんが、今どき固定電話を持つ人は少ないし、スマホを複数台所持していることも大いにあるのでスマホの着信音が検知されないのは残念でした。
煙・火災警報
「煙・火災警報」は鳴らすわけにいかなかったためYouTubeを大音量で再生しましたが、どれも検知ならず。
生音じゃないと検知してくれないのかもしれませんね。
サイレン
最後に「サイレン」です。
こちらもYouTubeの音では検知しなかったため、リアルな大音量が人気の玩具の消防車を鳴らしてみました。
こちらも検知せずでした。
総評
今回はリアルな音で実験できなかったものもありますが、9つのうち4つの音を検知することが出来ました。(スマホの着信音は「家電」として検知できましたが)
特に、自宅でのテレワーク中やイヤホン使用時などに気付きたい「赤ちゃんの泣き声」「ドアフォンのベル」「着信音」は日常的なもので頻度も高いため、今回の実験で検知できなかったことは非常に残念でした。
また、音の大きい「ドアフォンのベル」を検知できなかったため、音の大きさだけが問題ではないようで謎が残ります。
今回最も緊急性の高い「煙・火災警報」と「サイレン」は動画の音だったこともあり検知できませんでしたが、緊急性が高いだけにリアルでは検知してくることを祈ります。
個人的に赤ちゃんの泣き声は瞬時に駆け付けたいところなので、検知するかしないかのアプリに頼るよりも専用のカメラやEcho Showなどを用いた「監視カメラ」の方が使いやすいかなと思います。
こちらの記事で「Echo Showは監視カメラになるのか?」についてまとめていますので宜しければご覧ください。
おわりに
聴覚障がいを持つ方や難聴の方だけでなく、テレワークやイヤホン使用時に役に立つ「サウンド認識機能」。
今回の実験では上手く検知できない音もありましたが、ノック音や流水音などは即座に検知し、感度の良さを感じました。
自宅の中でもテレビを流しながら、家電が作動しながら…など余計な音があると必要な音を上手く検知してくれないことも考えられますし、我が家のインターホンのように何故か相性の悪いものもあるかもしれません。
必要に迫られて使う前に、色々な音を鳴らして検知できるか否かを確かめてみることをお勧めします。
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