2024年6月にPanasonicから食器洗い乾燥機の最新モデル3種が発売されました。
ファミリー向けのレギュラータイプは2020年9月の発売以来約4年ぶりの新モデルです。
それぞれに価格・性能に違いがありますが、我が家が購入したのは最上位モデル「NP-TZ500」です。
基本モデルとは約3万円の価格差がある高機能家電ですが、使い勝手は果たして…
本記事では、NP-TZ500を使って分かった「イマイチな点」についてまとめています。
購入を検討されている方の参考になると嬉しいです。
NP-TZ500を購入・開封
我が家は2016年に購入したNP-TR9をずっと愛用していました。NP-TR9はまだまだ現役で動いていて、何ら不満もなかったですが、約4年ぶりの新製品を試してみたく、買い替えてみました。
何が変わった?
新型3機種の違いや、最上位モデルNP-TZ500の新機能についてはこちらで詳しくまとめていますが、前身モデルNP-TZ300と比較して大きく変わったのは以下3点です。
- 液体洗剤の自動投入
- 予約機能の向上(1~8時間で予約時間が設定可能)
- おまかせコース(汚れレベルを自動で判断)
その他、上位モデル「NP-TH5」と基本モデル「NP-TA5」にはないNP-TZ500だけの機能は、
- タッチパネル
- ナノイーX
の2つです。
食洗機最高!!ですが、あえてイマイチな点をピックアップ
最新食洗機を使ってみた感想としては「やはり食洗機は便利!!」と、食洗機がない生活は考えられない反面、最上位モデルのNP-TZ500は高機能かつ見た目もスタイリッシュですが、値段も10万超えで高価です。
これを気軽に人にオススメするのはちょっと無責任だと感じたため、実際にNP-TZ500を使ってみて、
- ここは前身モデルの方が良かったのでは?
- これは使いにくい
- 基本モデルで良かったのでは?
と思った点をあえてピックアップしてみました。
なので以下ではPanasonic最新型最上位モデル食洗機NP-TZ500を使用して感じたデメリット、残念な点についてまとめています。
①粉洗剤・タブレット派には恩恵なし
NP-TZ500の最大のウリは何と言っても、据え置き型食洗機初の「洗剤自動投入」です。
下部の洗剤タンクに液体洗剤を入れることで、自動的に庫内へ投入さるため「洗剤入れたっけ?」がなくなる優れた新機能です。
何より洗剤ボトルをキッチンに置かずに済んですっきりました。
ただし、この自動投入は「食洗機専用液体洗剤」にのみ対応しているため、粉洗剤派やタブレット派はこれまで通り、庫内に手動で洗剤を投入することになります。
「洗剤自動投入」についてはこちらでも検証しています。
②小物ケースの蓋が無い
前身モデルNP-TZ300にはあった「ちょこっとホルダー」は、蓋付きのためお弁当のシリコンカップや水筒のパッキンなどの小さくて軽いものが飛ばずに洗える優れものでした。
しかし、2024年モデルは「ちょこっとホルダー」から「小物ケース」へと退化し、蓋が無くなりました。想定している用途が異なるのは仕方ありませんが、これではパッキン類が飛んでしまって毎日出るお弁当の仕切りやパッキンが手洗いに逆戻りです。
その分、ピーラーなどが横向きで入れられるようですが、縦に長いものは下カゴの小物入れで事が済むんですよね。
これだと別途小物カゴが必要そうです。
③80℃すすぎの恩恵が薄い
上位2モデルに付いている「80℃すすぎ機能」。
油汚れに大変便利な機能ですが、そもそも食洗機の洗いの温度は約60℃、すすぎは約70℃です(2024.7.1パナソニックに確認)。
これは食洗機全体に言えることですが、普通に洗っても洗浄後はけっこう熱くて油汚れもすっきり落ちているんですよね。
私が先日まで愛用していた2016年製NP-TR9は、基本の水温が約50℃だったため、80℃すすぎが重宝していたのですが、最近の食洗機は基本の水温が高いため「80℃すすぎ」のない基本モデル「NP-TA5」でも全く問題がないと感じました。
「80℃すすぎは必須!」と思っていたのに出番が少なく損した気分に…!
それでも油ギトギトのプラスチック食器には80℃すすぎが必須です。
④まな板と小物ケース、ボトルホルダーは併用不可
毎回のように洗っていた包丁とまな板ですが、写真の通り、まな板と小物ケース、ボトルホルダーは併用不可です。
無理やり閉めると閉まりますが、パナソニックに確認したところ「併用不可」とのことでした(2024.7.1確認)。
さらに、包丁とボトルーケースも併用は厳しいです。
かといって小物ケースを上にすると、上段の食器が入らなくなるため、自己責任で小物ケースを外してしまうのもアリです(公式では取り外し不可の記載)。
包丁やまな板は小型だと問題なく併用できるため、忙しい朝だけは小型にして全て食洗機に託したいところです。
⑤ボウルなどが洗いにくい
これは2017年モデルからですが、カゴの仕切りが固定されているため、口に丸みのあるボウルなどが収まりません。
2016年モデル(NP-TR9)までは仕切りのオレンジ色部分が可動式のため、食器の形状や大きさに合わせて収納できたのですが…
下カゴだけ古いものを使い続けたい程困っています。
しかもNP-TR9は食器点数が45点と多いんです。
⑥洗剤タンク・投入経路のお手入れが必要
洗剤自動投入による便利さを手に入れると、引き換えに「掃除項目」も増えます。
3か月に1度目安ではありますが、庫内や残さいフィルターの他に「洗剤タンク」と「洗剤投入経路」の洗浄が必要です。
掃除項目が増えるのが面倒な人は、初めから自動投入のない機種を選びましょう。
⓻自動投入は手動よりも時間がかかる
同じ「汚れレベル1」に設定した状態で、洗剤の「自動投入した場合」と「手動投入した場合」では、すすすぎが終わるまでにどれくらいの時間差があるのかを検証してみました。
スタートボタンと同時にストップウォッチを押し、終わりのブザーが鳴った瞬間にストップウォッチを止めます。
すると、洗剤を手動投入した場合は約5分の差で、自動投入時よりも早く洗い終わることが確認できました。
汚れレベルは同一ですが、自動投入では「適切な洗剤量を判断」するための予洗い時間があるためのようです。
一刻も早く洗い終えたい場合には「手動投入」がおすすめです。
⑧おまかせコースの予洗いが長すぎる
最も驚いたのが「おまかせコースの予洗い時間」です。
おまかせコースは汚れレベルと洗剤量を自動で判断してくれる便利な機能ですが、その仕組みは「洗浄水の濁度」によって2段階で食器の汚れの量を検知する「汚れセンサー」により、
- 予洗い工程で主に着色汚れ
- 洗浄工程で主に油脂汚れ
を検知してそれぞれの汚れの量に応じた洗剤量を投入するというものです。
パナソニックへの問い合わせでは「平均予洗い時間は約10分(2024.7.1確認)」とのことでしたが、実際に使用してみると、予洗い時間がとんでもなく長い!
そこで、キレイに自分で予洗いをした、自己判断「汚れレベル1」の食器を「おまかせコース」で何度か洗ってみると・・・
- 白い食器ばかりの時:予洗い約5分
- 黒や赤などの色のついた食器の場合:予洗い約30分
- 小鍋等の内側が黒い食器が入っている場合:予洗い約20分
と、食器の実際の汚れ具合よりも食器の色がセンサーの判断に影響を及ぼすのでは?という結論に辿り着きました。
こんなに長いなら水も電気も洗剤も節約できていないのでは・・・?
公式で言われていることではないため、個人的見解ですが・・・
黒や赤の食器を入れると、予洗い済みの食器を入れているにも関わらず、さらに予洗い30分、洗いすすぎで30分と合計1時間もかかりました!
⑨おまかせコースで選択されたレベルが不明
自動で汚れレベルを判断してくれる「おまかせコース」ですが、「結局汚れレベルは何だったの?」という答え合わせは出来ません。
なぜなら自分でレベルを選んだ際は「L1」などの表示が出ますが、
「おまかせコース」では常にレベルが横線なのです。
予洗い終了後に残り時間が表示されるため、選択されたおおよそのレベルの予想は出来ますが、実際「残り2分」になってからが長いなど、正確には分かりません。
また、おまかせコースではレベル判定だけでなく自動で80℃すすぎが選ばれることもあるそうです(2024.7.1パナソニックに確認)。
⑩スピーディーコースが無い
基本モデル「NP-TA5」と上位モデル「NP-TH5」にはあって、NP-TZ500にない機能があります。それは「スピーディ」です。
スピーディはNP-TZ500の「汚れレベル1」に相当するとのことですが、実際に洗浄時間を比べると、
- スピーディ:32分
- NP-TZ500のレベル1:35分
- NP-TZ300のレベル1:32分
となり、前身モデルNP-TZ300の同レベルと比較しても洗浄時間が3分長いことが分かります。
たかが3分ですが、食洗機が終わり次第家を出たい時、食洗機が終わったら寝たい時などは1分1秒を争います。
それでもNP-TZ500がオススメ
上記のようなイマイチポイントを加味しても、NP-TZ500は最高だと感じています。
特に買って良かったと感じているポイントは8点です。
- 時間の節約になる(食洗機のない生活は考えられない!)
- 食器洗いの精神的負担から開放される(洗い物が沢山でても苦じゃない)
- 洗剤自動投入により本体ボトルを買わずに済む
- 汚れの目立ちにくいシルバーが良い!(新型3機種ではNP-TZ500のみシルバーあり)
- タッチパネルで見た目も素敵
- 油ギトギトのプラスチック食器は80℃すすぎ
- 薄い皿やコップがセットしやすい
- 何だかんだ慣れてきたら使いやすい
従来の商品や使い慣れた食洗機と比べると、あれれ?と思う点はあったものの、何だかんだ新品も使い慣れてくると使いやすくなっていくものです。
朝昼晩、寿命が来るまで家事を手伝ってもらおうと思います。
おわりに
せっかく新型食洗機の最上位モデルを購入したにもかかわらず、愚痴のような記事になってしまいましたが、実際に使用してみると「これならもっと安いの買ったわ!」「古い方が良かったじゃん」みたいなことって、どの商品においてもあるあるですよね。
もちろん、NP-TZ500にしかない機能があるなど使いこなせば最高の食洗機ですが、実際に使用している人にしか分からない気になる点をまとめてみました。
それを踏まえても見た目や洗浄力が最高で、「100%買って良かった」買い物です!
購入検討の参考になれば幸いです。
当ブログでは他にもPanasonicの「食器洗い乾燥機」や「ドラム式洗濯乾燥機」について多くの記事をまとめています。宜しければご閲覧下さい。
コメント