ZOZOTOWN創業者が新たに立ち上げたことで話題の株式会社カブ&ピース。
カブ&ピースでは、でんき・ガス・モバイル等のサービスを使った分だけ株がもらえる「KABU&」という日本初のサービスを運営しており、「国民総株主」を目標としています。
このカブアンドの理念はひとまず置いておいて、本ページでは現在KABU&が行う6つのサービスを提供する、各事業者についてリサーチしてみました。
本記事では、KABU&について
- 各サービスの提携事業者
- 他社との価格差
等についてまとめています。
KABU&(カブアンド)とは?
KABU&は電気・ガス・モバイル通信・光回線・ウォーターサーバー・ふるさと納税の6つのサービスを提供していて、これらを利用することで、サービスの価格に応じた「株引換券」がもらえる仕組みです。
本記事作成時点では6サービスですが、サービスの種類は順次増やしていく予定とのことです。
「株引換券」は正式な株ではなく、いつかカブアンドが上場した際に株と交換できるものです。上場できるかは未知数ですが、株引換券5枚 = 1株 = 5円という想定のようです。
非常に画期的なサービスではありますが、そもそもモバイル通信や光回線などどれも仕事や生活に必要不可欠なため、何か不具合や問題点があっては困ります。
そこで、
- 6つのサービスはKABU&が、一から立ち上げた会社なの?
- どこかの会社と提携しているだけなの?
- その会社は安全なの?
- KABU&を介して契約することで利用料がすごく高くならないの?
という疑問を解決すべく、6つのサービスについてリサーチしました。
KABU&でんき
まずは電力会社のサービスから。
KABU&でんきは電気の利用料金に応じて株がもらえるサービスで、以下の特徴があります。
- 電気料金、品質は東京電力などと変わらない
- 工事不要
- 申込・解約時の手数料なし
- 日本全国対応(沖縄、離島、マンション一括受電を除く)
でんき事業者は?
調べたところ、でんきの供給事業者は以下の通りで、株式会社カブ&ピースは代理店です。
- 東京電力エリア:株式会社CDエナジーダイレクト(小売電気事業者)、大阪ガス株式会社(取次事業者)
- 東京電力エリア以外:大阪ガス株式会社(小売電気事業者)
CDエナジーダイレクトは”中部電力ミライズ株式会社と大阪ガスの合弁会社”で、電気・都市ガスの販売・供給を行う「CDエナジー」というサービスを提供する会社です。
また、大阪ガスは主に近畿地方を販売エリアとしており、大手4大都市ガス事業者の1つでもあるため、事業者は安心できる会社だと言えます。
価格比較
「地域の電力会社の従量電灯プランと基本料金は同じ」とのことですが、実際の料金を私の住む「北海道エリア」で比較してみました。
例えば、通常、北海道電力の価格は以下の通りですが、
KABU&でんきの料金体系は以下の通りで、電力量料金は若干「KABU&でんき」が安いものの、基本料金は地域の電力会社の方が安いことが分かります。
特別安いわけでないですが、KABU&は株体験ができるサービスがウリであって、サービスの安さやお得さをウリにしたものではないことが分かります。
また、KABU&でんきには燃料価格調整費の上限がないため、燃料価格が高騰した場合には電気代が高くなる可能性があるのは注意が必要です。
ガス
KABU&ガスは、ガスの利用料金に応じて株がもらえるサービスで、以下の特徴があります。
- 代金は地域の都市ガス会社と同じ
- 工事不要
- 申込・解約時の手数料なし
- 対応エリアは、関東(東京ガスエリア)、関西(大阪ガスエリア)、中部(東邦ガスエリア)、九州(西部ガスエリア)
ガス事業者は?
ガスの供給事業者は以下の通りで株式会社カブ&ピースは代理店です。
- 東京ガスエリア:株式会社CDエナジーダイレクト(ガス小売事業者)、大阪ガス株式会社(取次事業者)
- 大阪ガスエリア:大阪ガス株式会社(ガス小売事業者)
- 東邦ガス・西部ガスエリア:ミツウロコグリーンエネルギー株式会社(ガス小売事業者)
CDエナジーダイレクトと大阪ガスは「KABU&でんき」の事業者と同様ですが、ミツウロコグリーンエネルギーも国内7か所に再生エネルギー発電所を持つ大きな会社で、ちびまる子ちゃんのCMでもお馴染みの大手企業です。
対象エリアはこちらで確認。
価格比較
基本料金および従量料金は、地域の都市ガス会社の一般料金と同じとされています。
実際に東京ガスエリアで比べてみましたが、東京ガスの料金と
KABU&ガスの価格は価格差がありませんでした。
しかし、KABU&ガスには「原料費調整単価の上限」が無いため、原料価格が高騰した場合にはKABU&ガスのガス料金の方が高くなることがあります。
モバイル
KABU&モバイルは、モバイル通信(MVNO)の利用料金に応じて株がもらえるサービスで、以下の特徴があります。
- ドコモ、au、ソフトバンクの大手3キャリアに対応(エリア・端末に合わせてキャリアが選べる)
- 端末と電話番号はそのまま
パートナー企業は?
格安SIMサービス事業者が株式会社カブ&ピースであることには変わりありませんが、パートナー企業である「ミーク株式会社」が各キャリアとカブ&ピースの間に入ってKABU&モバイルを支援している状態です。
会社概要を抜粋すると、2019年設立の日本の会社であることが分かります。
もう少し調べてみると、代表取締役はSONY系の通信会社、so-net出身で、SONYの実質子会社であることもわかりました。
ミークのサービスは企業向けとなるため、直接ユーザーが関わることはありませんが、有名企業を含む多くの会社に採用されているサービスです。
価格比較
KABU&モバイルのプランは以下の通りで、大手3キャリアより断然安く、楽天モバイルやahamoなどの格安プランと同価格帯です。
通話定額オプションもあります。
これを格安プランでお馴染みの楽天モバイルと比較すると、3GBから20GBの間のプランが無いのがネックではありますが、3GBプランと20GBプランの価格自体は変わりません。
また、楽天では楽天Linkアプリからの通話に限り、国内通話が無料なため、楽天モバイルなら通話付きの3GBでも1,078円(税込)で済みます。
電話を使わず、3~10GBくらいを利用する人には「KABU&モバイル」がおすすめできます。
また、KABU&モバイルでは新規入会特典、乗り換え特典などが無く、スマホ自体の販売もしていません。
新たな端末が欲しい場合には、楽天モバイルのように端末購入のお得な割引を行っている会社を利用した方がお得度的にはおすすめです。
ひかり
KABU&ひかりは、ネット回線の利用料金に応じて株がもらえるサービスで、以下の特徴があります。
- 光回線とプロバイダをセットにしたサービス
- 工事不要(フレッツ光回線を利用している事業者を利用している場合)
- 10ギガ対応(一部エリアのみ)
- 2年契約(解約金対象外期間を除き、月額料金1ヶ月分の解約金発生)
プロバイダは?
プロバイダは、アルテリア・ネットワークス株式会社の「クロスパス」というサービスです。
クロスパスはNTT東日本、西日本のフレッツやNTT東西の光コラボレーション事業者の回線に対応したインターネット接続サービスで、多くの大手企業に導入されています。
最大10ギガプランもあるため、動画配信やオンラインゲームにもばっちり対応できます。
また、アルテリア・ネットワークスの会社概要を見てみると、東京にある日本の会社であることが確認できます。
また代表取締役社長は丸紅出身で、株主も丸紅とセコムが名を連ねています。
価格比較
クロスパスは法人向けサービスのため、Rakuten光と比較してみます。
例えばマンション等の集合住宅にお住いの場合、KABU&ひかりでは、プロバイダ費込みで4,180円(税込)、10ギガプランで6,380円(税込)です。
※対応のルーターが無い場合にはレンタル費用が330~550円発生します。
一方、Rakuten光なら集合住宅の場合、プロバイダ費込み4,180円(税込)とKABU&ひかりと同額です。
しかし、Rakuten光は10ギガに対応していないものの、楽天モバイルとの同時申込で6ヶ月無料等のキャンペーンもあるため、場合によってはRakuten光がお得になります。
なお、楽天モバイルのお得な入会キャンペーンについては以下で詳しくまとめています。
ウォーター
KABU&ウォーターは、ウォーターサーバーの利用料金に応じて株がもらえるサービスで、以下の特徴があります。
- 天然水または浄水型サーバーから選べる
- 他社解約金(違約金)を最大16,500円キャッシュバック
- 全国エリア(沖縄県および一部地域を除く)対象
提供事業者は?
KABU&ウォーターはプレミアムウォーターのOEM提供です。
そのため、プレミアムウォーターに直接申し込んで、ウォーターサーバーを利用することも可能です。
また、会社概要を見てみると、日本の会社であることが分かります。
また詳しく調べてみると、光通信の連結子会社であることがわかりました。
さらに、価格コムの2024.12.16時点のウォーターサーバー人気ランキングでは、アクアクララやクリクラ等の有名サービスを抑えて、宅配水で4位、
浄水型で3位でした。
価格比較
ウォーターサーバーには水道水を使用する「浄水型」と、ボトルを取り換える「天然水」の2種類があります。
お求めやすいのは「浄水型」ですが、個人的には災害時の備蓄にもなる「天然水」がおすすめです。
そこで、KABU&ウォーターの天然水ウォーターサーバーで最もお値打ちな「スリムサーバーⅢ(ロング)」税込3,974円(最低利用期間 : 5年)を、プレミアムウォーターで直接レンタルした際の価格と比較してみましたが、どちらも価格は同じ(双方とも北海道、青森、秋田、岩手は1セット(12L2本)あたり配送料 税込220円〜が発生)でした。
しかし、プレミアムウォーターは乗り換えキャッシュバックの他に、初回1本無料のキャンペーンがあります。
さらにポイントサイトを経由するともっとお得です。
例えば本記事作成時点(2024.12.20)では、ハピタスというポイントサイトを経由してプレミアムウォーターに申し込むと、公式特典とは別に15,000円相当のポイントが獲得できます。
公式HPからそのまま申し込むとこの特典は貰えませんのでご注意ください。
ポイントサイトは
- 楽天市場やヤフーショッピングで買い物するとき ➡ 1%還元
- クレジットカードを作るとき ➡ 数千~数万ポイント還元
など、経由するだけでノーリスクでポイントが貯まる、知っている人だけが得するツールです。
「ポイントサイト」という言葉を初めて聞いた人は、是非これを機に使い始めることをオススメします。
株に期待を持てない方は、分かりやすいお得さのプレミアムウォーター(公式)の利用がお得です。
ふるさと納税
KABU&ふるさと納税は、寄付金額に応じて株がもらえるサービスで、以下の特徴があります。
- 全国1,500以上の自治体、70万点以上の返礼品
委託会社は?
KABU&ふるさと納税は、国内最大級のふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」と連携しています。
ふるさとチョイスは1,788自治体、76万点以上の返礼品(2024年10月現在)から選択できますが、KABU&ふるさと納税でも「1,500以上の自治体、70万点以上の返礼品」とサービス開始直後とは思えない数の選択肢があります。
価格比較
ふるさと納税のお得度はキャンペーン等によるポイント還元によるところが大きいです。
KABU&ふるさと納税では、決まった数の株引換券がもらえるほか、本記事作成時点では株引換券1.000枚プレゼントの抽選キャンペーンを行っています(2024年12月20日0:00から12月22日23:59まで)が、正直株引換券でもらっても、現状ではお得度は不明です。
一方、ふるさとチョイスでもお得なキャンペーンが開催されています。
例えば本記事作成時点では、2024年12月3日~12月31日にこちらからエントリーし、対象のサイトまたはアプリからふるさと納税をすると、寄付額の2%~50%の還元が受けられます。
⇩エントリーはこちら⇩
その他、2%減額キャンペーンや
d払い・dカード利用で最大54.5%還元キャンペーン等が行われているため、分かりやすくお得にしたい人はKABU&ではない他のふるさと納税サイトの利用がおすすめです。
お得なふるさと納税キャンペーンについてはこちらで詳しくまとめています。
まとめ
以上の結果、電気やガスなどどのサービスもKABU&を使うことで安くなることは無いことが分かりました。
ただKABU&「最安値を目指すわけではない」と元より名言をしておりますし、あくまでもインフラサービスを使いながら、その「ポイントが未公開株としてもらえる」という、株主体験に重きをおいたサービスです。
また各サービスはそれも他社が展開するものですが、いずれも大手日本企業が請け負っていることもわかり、一安心です。
当ブログでは他にも「様々な商品・サービスの比較」、「お得に関する記事」をまとめています。
宜しければご閲覧ください。
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