充電器やモバイルバッテリーで有名なAnker(アンカー)ですが、2022年11月に紛失防止トラッカーを発売したことで話題になりました。
当ブログでも商品概要と、AirTagとの違いをまとめています。
評判も売れ行きも好調なAnkerの紛失防止トラッカーですが、2023年2月末にカード型の「SmartTracker Card」が発売されました。
私は子供の頃から数えると人生で財布を5回くらいは無くしているので、この商品は待ちに待ったもので、早速購入をしました。
また紛失防止トラッカーと言えばAirTagが有名ですよね。
SmartTracker CardはAirTagと比べてどうなのか、また通常のAnkerの紛失防止タグとの違いも気になるところです。
というわけで、本ページではSmartTracker Cardを実際に購入して使ってみた感想と、AirTag・Anker SmartTrack Linkと比較した使い勝手などをまとめています。
Anker Eufy (ユーフィ) SmartTracker Cardが発売
2023年2月末、カード型の紛失防止タグ「Eufy Security SmartTrack Card」が発売されました。
定価は3,990円(税込み)で、Anker SmartTrack Linkの定価2,990円(税込み)に比べると、若干割高に感じますが、形状が全然違うので単純な比較は出来ません。
ちなみにAirTag定価4,780円(税込み)と比べると若干お安めですが、AirTagはApple純正品なので割高なのは当然と言えば当然なのかもしれません。
これらの商品はいずれも買い切り型の商品なので、月額費用は発生しません。
お金を支払うのは購入時のみなので、お財布に優しいのが特徴です。
SmartTrack Cardの特徴は何と言っても「薄いカード型」という点です。
AirTagも含め、従来の紛失防止タグは、ぽってりとした形状がスタンダートなので、財布などに入れるとどうしても膨らみが目立ちます。
その点、SmartTrack Cardは「クレジットカードの2枚分の厚さ」ということで、財布のカードポケットに違和感なく入れられるとのこと。
またAnkerの紛失防止タグのウリはAndroidでも利用できる点です。
AirTagはiPhoneなどのApple製品でしか利用できませんが、SmartTrack CardはAndroidでも、もちろんiPhoneでも利用できます。
しかしちょっと罠があるので、詳しくは後述します。
またiPhoneの探すアプリにも対応していて、AirTagと同様、買い切り型の商品にも関わらずiPhone等のネットワークを利用して広範囲での位置情報特定を実現しています。
実際に買ってみた
発売直後、早速SmartTrack Cardを楽天市場で購入してみました。実際に届いたのがこちらです。
期待通りの薄さで、踏んでしまったらパキっと割れそうなくらいです。
本体裏面にはQRコードがあり、
専用アプリから紛失モードをONにしておくと、「名前」「メールアドレス」「電話番号」「メッセージ」などを取得者に伝えられる仕組みになっています。
重さは12gで、財布に入れても負担のない重さです。
ちなみにAnkerの通常タグは9gで最軽量です。AirTagは11gと、SmartTrack Cardとほぼ同じです。
dポイントカードと比較した厚みはこんな感じ(ちなみにdポイントカードは運転免許証と同じ厚さです)。確かにカード2枚分の厚みがあります。
財布のカードポケットに入れてみました。
カード2枚分とのことで、少し厚みが出て違和感を感じるかな?と思っていましたが、すっぽりと入りました。
閉じたときに違和感もなく、かなりイイ感じです。期待以上でした!
同梱物にはアルミ?のクリップがあります。結構頑丈です。
こちらは裏面の青いシールを剥がすと、本体に接着できるような仕組みです。
SmartTrack Cardをクリップのように止めることが出来ます。
Anker公式の製品紹介動画では、書類ケースのようなものに引っかけて利用する例が紹介されていました。またパスポートにもオススメのようです。
このクリップの接着は結構強力で、試しに付けてみたら取るのに結構苦労しました。
クリップを付けると財布のカードポケットに入れる用途では使えませんので、ご注意ください。
ミニ財布やマネークリップなどにも使えそうですが、せっかくのコンパクトさがダウンしてしまうので一長一短です。
こちらは説明書です。結構分厚いですが多言語対応なので、読むべきページは1~2ページだけです。
SmartTrack Cardの利用方法は
- 専用アプリ(Android・iPhoneどちらでもOK)
- 探すアプリ(iPhoneのみ)
の2通りがあります。
専用アプリの設定
Android端末からの利用方法は専用アプリ一択です。
細かい手順は割愛しますが、アプリストアでeufy Securityをインストールして、手順通りに進めていくだけです。
このアプリを使ったことの無い人は、新規にアカウントを作成する必要があります。
アカウントさえ登録してしまえば後は簡単で、デバイスの追加で「SmartTrack Card」を選択するだけです。
これで位置情報が確認できます。
新規アプリ&登録はちょっと面倒ですが、
- SmartTrackからスマホの音を鳴らす
- 紛失時のメッセージ登録
- ファームウェアの更新
などは専用アプリでしか出来ませんので、iPhoneユーザーでも登録するのがオススメです。
探すアプリ
iPhoneユーザーでとりあえず「位置情報を取得したい」という人は、探すアプリを利用するのが手っとり早いです。
登録方法はデバイスの追加で「その他の持ち物を追加」を選択するだけです。
同封の説明書に記載がありますが、「持ち物を探索中…」の間にSmartTrackを2秒長押しすると音がなるので、それでペアリングモードに入ります。
詳しくは下で説明しますが、遠い場所でSmartTrackの位置を特定したい場合は、探すアプリへの登録が必須です。
Anker SmartTrack CardはAndroid端末でも使えるが…
繰り返しになりますが、Anker SmartTrack CardはAndroid端末で利用可能です。
ただし利用できる範囲はBluetoothの接続範囲内に限ります。
Bluetoothの有効範囲はおよそ10mと言われているので、AndroidでAnker SmartTrackを利用する場合は家の中など、狭い範囲での位置特定しか出来ません。
Anker SmartTrackはSIMが内臓されていないので、自発的に位置情報を発信することが出来ないからです。
なのでAndroidユーザーは外出先に忘れ物をした場合や、誰かにモノを盗られた場合は追跡が非常に困難です。
これを理解せずにAnker SmartTrackを購入した場合は、期待外れの買い物になってしまいます。
ですがここで登場するのがiPhoneの「探すアプリ」です。
探すアプリに登録することで、近くにAppleユーザーがいたらそのネットワークを利用して位置情報が更新されます。これはAirTagと全く同じ仕組みです。
下の画像は探すアプリにAnker SmartTrack Cardを登録したものですが、0.7km先でも位置が特定できています。もちろん条件を満たせば10kmでも100kmでも追跡可能です。
しつこいようですがこれはAndroidでは出来ず、iPhoneだけの機能になります。
AndroidユーザーでAnker SmartTrack Cardの購入を検討している人は、狭い範囲でのみ使えることを理解した上で購入しましょう。
Anker SmartTrack CardとLinkとAirTagを同時に追跡してみる
次にAnker SmartTrack Cardと、Link(Ankerの従来型紛失防止タグ)、AirTagを同時に持ってもらい、追跡速度やGPSの正確性を検証してみました。
ちなみにAnker SmartTrack Cardは財布の中にいれてカバンの中へ。それ以外はカバンに直接入れた状態で持ち運びます。
こちらは3つの紛失防止タグをiPhoneの探すアプリに登録したものです。自宅から目的地に向かって出発してもらいます。
移動を開始してすぐ、財布マークのSmartTrack Cardが動き始めました。ちなみに赤矢印が進行方向です。
どうやら近くにiPhoneなどを持っている人がいたようです。他の2つのタグはまだ動きません。
さらに数分後、まだSmartTrack Cardのみが動き続けています。これだけ財布にいれていたので、感度が悪くなるかと思っていましたが関係ないみたいですね。
更に進み続けると、ようやく全てのマークが動き始めました。どれも似たような位置を指しています。
赤丸が目的地で、この時点ではSmartTrack Link(従来型のAnker紛失防止タグ)が1番正確ですね。
目的地に到着したら、全てがほぼ正確な位置に更新されました。
他にも何度か検証しましたが、そのたびに結果はまちまちで、「この製品が1番正確に追跡してくれる!」というものは私の環境では確認ができませんでした。
つまり
- Apple純正だからAirTagのほうが精度がいいわけではない
- Anker SmartTrackのほうが精度がいいときもある
- どちらもすごく正確な位置を指し続けることは無い
という検証結果でした。
この結果は人口密度(周りのAppleユーザーの数)など、環境によって異なると思うのであくまで参考程度にしてください。
Anker SmartTrack CardとAirTagで出来ること・出来ないこと
私の環境ではGPSの正確性、追跡速度共にAnker SmartTrack CardとAirTagでは大差ありませんでしたが、Anker SmartTrack Cardでしか出来ないことや、逆にAirTagのほうが優れている点がいくつかあります。
Anker SmartTrack Cardでだけ出来る事
Anker SmartTrack Cardで出来て、AirTagで出来ないことは
- Android端末で使える(Bluetooth有効範囲内のみ)
- 紛失時の連絡先等をiPhoneユーザー以外にも知らせる方法がある(裏面のQRコード読み込み)
- Anker SmartTrackからスマートフォンを鳴らせる
の主に3つです。
特に3番の機能はスマホを頻繁に無くしてしまう人は重宝する機能です。
Anker SmartTrackもAirTagもスマホからこれらのデバイスを鳴らすことは出来ますが、デバイスからスマホを鳴らせるのはAnker SmartTrackだけの機能です(下の動画はAnker SmartTrack CardではなくLinkのものですが、Cardでも同様のことが出来ます)。
AirTagでだけ出来ること
逆にAirTagだけで出来ること・優れている点もあります。
- ペアリングがスムーズ(Anker SmartTrackの2秒長押しなど、特別な操作が必要なくかなり直感的に接続できる)
- 「正確な場所を見つける」機能が使える
iPhone11以降で使える「正確な場所を見つける」は「ソファのクッションの間」など、細かい位置の場所特定ができる機能です。
残念ながらiPhone11以降であっても、Anker SmartTrackでは「正確な場所を見つける」機能は使えません。
Anker SmartTrack CardとLinkの違い
次にAnker SmartTrack CardとLinkを比較してみます。
どちらも同じAnkerの商品なので大きさ(用途)以外で大きな違いはありませんが、ただ1点だけ、注意しなければいけない違いがあります。
こちらはAnker公式が公開している比較表ですが、電池の仕様に違いがみられます。
SmartTrack Cardは電池寿命最大3年となっていて、電池の交換が出来ません。
つまりバッテリー切れ = 廃棄となります。
一方、SmartTrack Linkは電池寿命は1年と若干短いですが、ボタン電池(CR2032)の交換が自分で出来ます。つまりデバイス本体が壊れない限りはずっと使い続けられます。
壊れずに長く使い続けることが前提になりますが、本体価格もSmartTrack Linkのほうが1,000円安いですし、電池交換も自分で出来る「SmartTrack Link」のほうが「SmartTrack Card」よりはコスパが良さそうです。
財布に入れるからSmartTrack Cardが欲しい!などの明確な理由がない場合は、SmartTrack Linkでもいいかも知れません。
なおSmartTrack Linkは詳しいレビューを別途行っています。内容が本記事と重複する箇所もありますが、是非合わせてご覧ください。
iPhoneの探すアプリに接続できない?
Anker SmartTrackがiPhoneの探すアプリに登録できない事象が複数報告されています。
実際に自分も遭遇しました。
結論から言うと何とか接続できるようになりました。Ankerカスタマーサポートから対処法を3つ案内されたので、詳しくはこちらの記事にまとめています。
Anker製品は会員登録をすると最大24カ月保証に
Anker SmartTrackに限らず、Anker製品の多くは公式サイトに会員登録をすると、製品保証期間が「18カ月 ➡ 24カ月」に延長されます。
会員登録 = eufy Securityアプリの登録とは違いますので、ご注意ください。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
おわりに
2023年2月に発売されたAnker SmartTrack Cardを購入してみました。
財布を無くしやすい私は、以前から財布に入れられる買い切り型の紛失防止タグを探していたのですが、既存のもの(TileやMAMORIO)はユーザー数の少なさからか更新頻度が少なく、私の住む札幌では使い勝手がイマイチ…
ということで今回の商品は私のニーズにピッタリとハマりました。
記事中にも書きましたが、Androidユーザーには限られた利用しか出来ないため、強くオススメは出来ません。
ただiPhoneでは探すアプリが利用できるため、ランニングコストがかからない買い切り型にも関わらず、広範囲で位置情報が取得できるのは大きな大きなメリットです。
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