【2023年6月1日以降】最強プランで楽天モバイルは何がどう変わる？何をしたらいい？手続きは必要？改悪の可能性は？固定回線代わり？

シンプルな料金プランや、電話かけ放題の楽天Linkを武器に、着実に契約数を伸ばしている楽天モバイル。

そんな楽天モバイルで2023年6月から新プランがスタート。
新規契約者はもちろんですが、既存ユーザーも全員が新プランに自動的に移行されます。

楽天モバイル最強プランがスタート

2023年6月より、楽天モバイル「最強プラン」がスタートします。

今までは「Rakuten UN-LIMIT VII」など、末尾のローマ数字を変えるのがお馴染みな楽天モバイルのプラン名ですが、今回からはこれが一新。「最強プラン」というプラン名になりました。

楽天モバイルは「シンプルさ」をウリの１つにしていて、オプションはあれど、契約プランは１種類のみ。
今回の最強プラン登場でもそれは変わりなく、

• 現行のRakuten UN-LIMIT VIIは廃止
• 全ユーザーが最強プランに自動移行

となります。

最強プランに移行するにあたり、ユーザー側でやるべき操作・手続きは一切ありません。
2023年6月1日から勝手に最強プランが適用されます。

ただ

と感じる方も多いはず。

ですが心配ご無用です。「Rakuten UN-LIMIT VII」から「最強プラン」への移行はメリットしかありません。

変わらないところ

現行プラン（Rakuten UN-LIMIT VII）と新プラン（最強プラン）では、利用料金が一切変わりません。
今まで通り、利用量に応じて「980円～2,980円（税抜き）」のステージ制は維持されます。

他にも、楽天モバイルならではのメリットである

• 楽天リンクの国内無料通話
• 各種手数料無料（契約事務手数料・MNP転出料・契約解除料０円）
• 海外で2GBまで無料
• 楽天市場のお買物が+3倍
• NBA＆パリーグが追加料金なしで視聴

などが、変わらず使い続けられます。

変わるところ

では「最強プランで何が変わるのか」と言う点ですが、ずばりパートナー回線（au回線）の取扱いが変わります。

以下ではパートナー回線の変更を、「人口カバー率」と「通信量」の２つに分けて解説します。

人口カバー率が上昇

今回の最強プランでは、パートナー回線のカバー率が98.4% ➡ 99.9%に上昇します。

そもそも、なぜ大手キャリアの中で楽天モバイルだけが「パートナー回線」を持っているかというと、話は楽天モバイル設立時までさかのぼります。

楽天モバイルのサービス開始当初、基地局がまだまだ不足していることから、「楽天モバイル回線」と「au回線（パートナー回線）」のダブル回線でサービスが提供されていました。

月日が経ち、ある程度楽天モバイルの基地局が増えると、楽天モバイルは徐々にパートナー回線を減らし始めました。au回線を借りているとお金がかかるので、自社の通信網で何とかしたいからです。

ただ楽天モバイルは”プラチナバンド”と呼ばれる帯域を持っていないため、パートナー回線を減らしたことで繋がりにくいエリアが増えてきました。
特に「コンクリート造りの建物の中」「ビルに陰になった建物」「地下」などが繋がりにくくなったと言われています。

最強プランでは減らしていたパートナー回線を復活させ、人口カバー率が99.9%に上昇します。
しかしこの99.9%という数字よりも「通信エリア内だけど、繋がりにくい場所が減る」ことが期待できます。

パートナー回線の通信量が無制限に

もう１つ、最強プランでは大きな変更点があります。それはパートナー回線のデータ無制限化です。

従来のプランでは月5GBまでパートナー回線による高速通信が利用できましたが、最強プランではこれが無制限になりました。

またこれに合わせて、「パートナー回線のチャージオプション」や「データ高速モード」も提供終了となります（海外は除く）。

改悪の可能性は？

最強プランの内容を見て

と心配になる方もいらっしゃると思います。私もその１人です。

また、

という人が多くいてもおかしくはありません。

これらの点については、あくまでも本記事作成時点（2023年5月18日）の予想になりますが、

• 楽天モバイルはプラチナバンドを獲得する見込みがある（ただし確定ではない）
• なので、ずっとパートナー回線を利用し続けるわけではない（いつかパートナー回線という考え方自体が無くなる）
• プラチナバンドとそれ以外では基地局の構造が異なるので、とりあえずはプラチナバンドの獲得が確定するまで、パートナー回線でしのぐ

といったストーリーだと思われます。

これも予想になりますが、「パートナー回線の通信容量無制限が終了 = 楽天プラチナバンドの準備がある程度整った」という状況だと思われるので、ただ単に「やっぱりパートナー回線は月5GBまでに戻します！」といった単純な改悪にはならないと推測します。

固定回線の代わりになるって本当？

「パートナー回線のデータ無制限化」と聞いて

と感じる方もいらっしゃると思います。

現に、従来プランでも楽天モバイル回線が安定して繋がるエリアで「テザリングで固定回線代わりに使ってるよ！」という人もちらほら見かけます。

パートナー回線が通信容量無制限になることで、この流れは一層強まると思いますが、以下の２点に注意しましょう。

通信容量が多すぎて制限がかかる可能性

従来の楽天モバイル通信網でも同様ですが、通信量があまりにも多すぎる場合は速度制限が入ります。

パートナー回線の容量制限撤廃の表にも

「公平なサービス提供のため速度制限する場合あり。環境により速度低下する場合あり」

という注釈がはいっています。

どれくらいで通信制限が入るのかは不明ですが、パソコンやスマホ数台など、複数デバイスでがっつりと通信する環境では注意が必要そうです。

環境によってはパケ詰まりや通信が不安定になる可能性

楽天モバイルを固定回線代わりに使っている人からよく聞く不満がパケ詰まりです。
パケ詰まりはアンテナが立っているのにも関わらず、回線品質が悪いと通信が出来ない状況を指します。

また合わせて注意したいのが回線網の切り替えによる不安定さです。
環境によっては「楽天モバイル回線」と「パートナー回線」が頻繁に切り替わることで、通信不安定になる事象がみられます。

パートナー回線エリアが拡大することで、安定した通信になるのか、それとも切り替えが頻繁に行われて固定回線代わりにならないのか、住んでいる場所によって明暗が分かれそうです。

おわりに

赤字続きで改悪が入ると思われていた楽天モバイルですが、まさかのプラン改良が発表されました。

変更箇所は

• パートナー回線エリアの拡大
• パートナー回線の通信制限撤廃

の２つで、どちらも利用者にとってはメリットしかありません。

「客寄せのためのプラン」「加入者が増えてから改悪されるのでは…？」などの意見もありますが、個人的には”プラチナバンドの自社通信網が整うまでの繋ぎプラン”だと思われます。

これからの楽天モバイルの動きに要注目です。